「Soup Stock Tokyo」を主宰する遠山正道氏が2012年に開催し、単行本にもなった大人気講座「おいしい教室」が、今度は東京・丸の内を舞台に、帰ってきました。今年も毎回、多彩なゲストをお迎えして、テーマに沿ったお弁当を持ちよります。今回はどんなお弁当が登場するのでしょうか!? この連載では、講座で行われたゲストとの対談、そしてゲストや参加者が選んだステキなお弁当を紹介します。
第2回テーマ トラッドマインドのお弁当
ゲスト:重松 理(「株式会社ユナイテッドアローズ」取締役会長)
重松 理(しげまつ おさむ)
「株式会社ユナイテッドアローズ」取締役会長。1949年、神奈川県逗子市生まれ。1973年、明治学院大学経済学部を卒業。婦人服メーカーの営業職を経て、1976年、セレクトショップ「ビームス」の設立に携わる。第1号店店長などを務め、常務取締役を経て1989年に退社。同年、「ユナイテッドアローズ」を設立し、代表取締役社長に就任した。2004年に代表取締役会長に就任するが、2009年に再び代表取締役社長に。2012年に改めて取締役会長となった。
遠山:本日はユナイテッドアローズ会長の重松さんにお越しいただきました。ジャケットの柄が着物のようですね。
重松:これは「イカット」という手織の絣(かすり)なんです。フィリピンを訪れたときに生地を買って仕立てました。男性のジャケット用の生地は限られているので、女性ものの生地を買って仕立てたりすることもあります。
遠山:私はある人から、「日本人はあまり体型がよくないので、それに合わせて洋服を仕立てると体型の悪いところを露呈してしまう。だから仕立てるよりも、デザイナーのつくったフォルムに自分を合わせるほうがいい」と言われて以来、仕立てるということに興味がなかったんですが……。
重松:まったくその通りです。オーダーメイドなら思い通りのものがつくれると思いがちですが、とくに靴などは、日本人の甲高幅広の足に合わせるとフォルムが崩れてしまう。だから、おすすめしません。洋服も同じです。ところで、遠山さんには、ユナイテッドアローズのカタログの1995年・第5号にモデルとして登場していただきましたね。今日は遠山さんに見ていただきたくて、その写真を持ってきました。
遠山:(カタログの写真を見て)三菱商事に就職して9年目、スープ ストック トーキョーを立ち上げる5年前でした。
重松:若いですねー。
遠山:あはは。まだ結婚したてで、ただのサラリーマンでした。同級生がスタイリストをしていて、その縁で出させていただきました。
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2013.09.19(木)
text:Rika Kuwahara
photographs:MIki Fukano / Nanae Suzuki