「Soup Stock Tokyo」を主宰する遠山正道氏が2012年に開催し、単行本にもなった大人気講座「おいしい教室」が、東京・丸の内を舞台に帰ってきました。今度はどんなお弁当が登場するのか!? 今年も毎回、多彩なゲストをお迎えして、テーマに沿ったお弁当を持ちよります。この連載では、講座で行われたゲストとの対談、そしてゲストや参加者が選んだステキなお弁当を紹介します。

第3回テーマ 「お麩会」のお弁当
ゲスト:水道橋博士(タレント)

水道橋博士(すいどうばしはかせ)
1962年、岡山県生まれ。23歳でビートたけしの弟子となり、その後、玉袋筋太郎とお笑いコンビ「浅草キッド」を結成。浅草フランス座で修業時代を過ごし、テレビやラジオ、舞台で活躍中。執筆活動も多彩で、最新刊は芸能界ルポライターとして芸能界の巨星・名人・怪人の生き様を描きだした『藝人春秋』。月2回発行の、連載執筆者と文字量の多さで日本最大の有料メールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」編集長でもある。3児の父。

ゲストの水道橋博士(左)と。水道橋博士がしているのは、「giraffe」のネクタイ

遠山:水道橋博士と私は、同い年なんです。博士は本や週刊誌の連載、メルマガ「水道橋博士のメルマ旬報」の発行などされていて、朝は3時や4時に起床して執筆されるなど、とても忙しいんです。

水道橋博士:今日はさっきまで、同じ小学校に通っている4年生の息子と1年生の娘の運動会を観てきました。

遠山:そんな日にね、お呼び立てして申し訳ない。

水道橋博士:いえいえ、運動会のお弁当をかみさんがつくるので、かみさんの助言のもとに今日のお弁当をつくれました。僕だけでは心もとないので。

遠山:それにひどい腰痛なのに。十数年前に番組で「人間サイコロ」をやったせいで腰痛になったんですよね?

水道橋博士:「人間サイコロ」と言ってもみなさんにはよくわからないかもしれませんが、サイコロの中に人間を入れて転がして、さいの目の丁半を当てる、というテレビ番組のコーナーがあったんです。それで、僕はサイコロの中に入ってスキー場の傾斜角30度の斜面を転がることになった。当時はCCDカメラもなく、サイコロの中の様子は映らないので、本当に中に入る必要なんかなかったけど、中に入れられて斜面を転がって(笑)。これはさすがに「死ぬ!」と思って途中で脱出したんですけど、かなりの打撲を負い、椎間板ヘルニアになったんです。

遠山:今だったら大問題ですね。

水道橋博士:今なら、番組でケガをしたらテレビ局が補償しますけど、当時はそうじゃないし、僕はケガをしても騒がなかったんです。

遠山:言葉は悪いんですが、売れてなくて干されると困るからですか?

水道橋博士:いえ、自分はお笑いスタントマンだと思っていたから(笑)。だから、プロとしてケガをすることは恥ずかしいことだったんです。

遠山:なるほど……博士は執筆活動もされていて、『藝人春秋』という本を出されたり、週刊文春ではその続編ともなる「週刊藝人春秋」という連載をされていますが、これは編集者と毎週、打ち合わせをされてるんですね。

水道橋博士:そうなんです。打ち合わせには、編集者とデータを確認してくれる人、それから僕のマネージャーが参加して、すべて芸能界で見聞きした事実しか書いていない僕の原稿の、事実の確認をしながら読み合わせをします。僕はこの打ち合わせを「バンド活動」と呼んでるんです。

遠山:「バンド活動」?

水道橋博士:僕の第一稿が譜面で、それを読んでみんなが音を出したときに、「ここが気になる」「主語がわからない」「これは悪文だよね」ということをみんなで言い合う。それが、本当に楽しいんです。

遠山:その連載分がありますから、あと数カ月も待てば、『藝人春秋2』ができますね。

水道橋博士:物理的にはそれだけの量はとっくにありますね。

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2013.10.18(金)