ちょっといいことがあった日に食べたいアイスクリームケーキ「31 パティスリー」

第二次世界大戦中の南の島での出会いから、1945年に誕生した「バスキンロビンス」こと「サーティワン アイスクリーム」(以下サーティワン)。日本上陸を果たした1973年からも既に半世紀を超える歴史をもつサーティワンの「31 パティスリー」がいま、人気を集めている。この新発想アイスクリームケーキが早くも大人たちのハートを射抜いている、その理由を探る。
ちょっと訳知りな人ならこう呼ぶだろう。「バスキンロビンス」。そう「バスキンロビンス」とはサーティワンのアメリカの社名であり海外での一般名。実は「サーティワン」の通称が浸透しているのは日本だけなのだ。

そのサーティワンの日本第一号店は1974年に目黒でオープン。同年中に22店がオープンしており、2025年7月末現在で国内1486店の販売拠点を展開している(世界では52か国で7700店舗以上を展開)。

誰にとっても推しフレーバーや、思い出の1ページにサーティワンのフレーバーがあると言えるほどに浸透したサーティワンだが、実はいま、令和時代の新たな矢が放たれていることをご存じだろうか。

商品名は「31 パティスリー」。狙うは大人のごちそうニーズ。ライバルはいわゆるスイーツ、生洋菓子全般というから意欲的である。
アイスクリームケーキは日本上陸当初から展開
サーティワンのアイスクリームケーキは日本上陸間もなくからラインナップされてきた、息の長い商品である。しかし皆さんが連想するように、アイスクリームケーキ=バースデーケーキという受容/需要が一般的。むろん、サーティワンの浸透と共に「スポンジケーキとは異なるアイスクリームケーキというもうひとつの選択肢」として認知も広まってきたが、いずれにしろ「ハレの日」にオーダーする特別なものだった。
「サーティワンのアイスクリームケーキで調べますと、約9割が『おめでとう』などのプレートをつけられることから、ハレの日ニーズでお求め頂いていることがわかります」と語るのは、B-R サーティワン アイスクリーム株式会社のマーケティング部長、橋本貴史さんだ。(以下「」内コメント同)

サーティワンは2000年代以降ショッピングモールへの出店に注力してきた。誰の目にも、とりわけファミリーの目に触れやすいモールへの出店はアイスクリームケーキをある種「憧れのケーキ」として周知させるきっかけとなったはずだ。人気キャラクターとのコラボ商品も多く、注目を集めやすいこともその背景にある。

2025.08.10(日)
文=前田賢紀
写真=榎本麻美