ピンポン外交と「みんな違ってみんないい」

遠山:いきなり提案なんですが、博士はトークが聴けてお酒が飲めるスナックやカフェをつくったらいいと思うんです。そういうプラットフォームから生まれるコンテンツもあるでしょうし。そんなお店を一緒にやりませんか?

水道橋博士:僕は今、「ピンポンバー」をつくろうとしてるんですよ。卓球はお得意ですか?

遠山:中学のときキャプテンでした。

水道橋博士:まさにピンポン! 

遠山:?

水道橋博士:8月8日が長男の誕生日で、毎年、誕生日には好きなものを買ってあげるんですけど、今年は息子が「卓球台がほしい」って言ったんですよ。ちなみに去年はドラムセットを買ってるんですが。

会場:えー!

水道橋博士:ドラムセットを買ってやるのはどうかしてるけど、「どら息子」だから「ドラムセット」と、韻を踏んでいるので、いいんです(笑)。韻を踏んでるのが俺の中では大事なんです。それで今回、卓球台と言われたときも、きっとこれも何かの韻を踏むはずだと思って買ってあげました。

遠山:その後、どんな韻を踏んだんですか?

水道橋博士:僕は老眼でもうキャッチボールも難しいくらいなんですけど、昔、僕の家には卓球台があって8歳から10歳くらいにかけてインターハイ代表だったおじさんに鍛えられたんです。それで今でもやってみたら、すっごいうまいんですよ。

遠山:へーえ、老眼なのに?

水道橋博士:老眼でも。僕のマネージャーは卓球部だったんですけど、いまだに僕に勝てないんですから。それに、卓球はまったく知らない人とやっても面白くて、かつて中国とアメリカの緊張が卓球の国際試合をきっかけに緩和されたように、まさに「ピンポン外交」なんですよ。だから僕はピンポンバーをつくりたいんです。サイドビジネスは一度もやったことがないんですけど、これだけは絶対に面白い!

遠山:たしかに面白そうですね。

水道橋博士:いま、その妄想にとりつかれているから、ある日、いとうせいこうさんに偶然会ったときに、いとうせいこうさんの顔がペンホルダーにしか見えなかったんです。

遠山:なんとなくわかります(笑)。

水道橋博士:それで唐突に、「せいこうさん、卓球をやったことがありますか?」と聞いたら、「俺、高校の卓球部だよ」って言われて、「うおー、ピンポン! だ」と。それでそのまま仕事先に行って、イラン出身の美人タレント、サヘル(・ローズ)さんに会って、「サヘルさん、卓球やったことありますか?」と聞いたら、「私、東海大学の卓球部です」って。

遠山:えー!

水道橋博士:それでまた、ピンポーン! となったんです。それ以降、会う人会う人に、「卓球やってますか?」と聞いてるんですが、その後そんなにピンポンじゃなかった。今日の社長が久々のピンポン! です。

遠山:さっきのは、そういうことだったんですね。ピンポンバーもいいですね。でも私はやっぱり、ちょうどこの「おいしい教室」のような場、パーソナルサイズで2時間くらいあーだこーだと話をしながらくつろげる場をつくりたいな。けっこう激しくお客さんと議論を戦わせる場というのもありますが、私はそんなに戦わせなくてもいいと思うんです。

水道橋博士:僕も今は本当に戦わないんですよ。「みんな違ってみんないい」と思っているんです。

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2013.10.18(金)