女性必読! テーマが「お麩会」の理由
水道橋博士:今回は、女性の参加者が多いと聞いて、お麩がいかに女性にいいか、ということを言いたくて「お麩会」というテーマにしました。その割には、僕の弁当にはあんまりお麩が入ってないんですけど(と言いながら、お弁当の蓋を開ける)。
遠山:おお、きれい! 華やか! ご自分でつくったんですか?
水道橋博士:かみさんに手伝ってもらいながら、つくりました。茶色のお麩は山形の庄内平野のきざみ麩で、刻んで揚げて、塩・こしょうをしただけなんですけど、めっちゃうまいんですよ。こっちのカラフルなのは京都の手毬麩。かわいいですよね。水で戻しただけです。あとは、枝豆、卵焼き、ひじき、いんげんの肉巻き、マカロニサラダ、小豆島の名産の醤油豆、しそを散らしたさけごはんです。
遠山:ほー。
水道橋博士:ところでみなさん、コラーゲンは食べてもなんの効果もないんですよ。
会場:えー!
水道橋博士:分子生物学者の福岡伸一先生が、著書で何度も「摂取したコラーゲンは消化管内で分解されてアミノ酸となる。他者のコラーゲンがまるごと消化管を通り抜け、細胞間や関節に届いて、その場所に補給されることはまったくありえない」と書いているんです。でも、「コラーゲンを摂ったら、肌がすべすべになった」と言う人がいますよね。それは実際にすべすべになってるんです。なぜかというと、それはプラシーボ効果で、風邪薬だと言って渡されたら、金魚のフンでも風邪が治ることがあるように、コラーゲンを食べたら肌がつるつるになると思い込んでいるからなんです。
遠山:ああ、そういうことですか。
水道橋博士:ところが、NHKの「あさイチ」という番組にゲストで出演したとき、お麩特集で、「お麩には、体内でコラーゲンの部品になるアミノ酸の一種プロリンが豊富に含まれている」という発表が学会でされたと聞いたんです。それで今、女子のあいだで「お麩会」が流行っている、と。お麩料理だけの会です。それが面白かったので、僕がかみさんの参加しているママ会で、お麩の料理をするようになったんです。
遠山:ママ会をお麩会にしたんですね。
水道橋博士:しかもお麩って主に、鯉が食べてるじゃないですか。鯉ってつるつるしてますよね?
遠山:つるつるっていうか、ぬるぬる……。
水道橋博士:いや、つるつるですよ! で、人は恋をする。僕の中ではそういう韻を踏んでるんですよ。だから、「お麩は恋の食べ物だ!」と。オンラインじゃなくて、オフ会で集まって、お麩を食べながら、鯉として恋をするんです!
遠山:あはははは。
水道橋博士:俺、頭おかしいですかね?
遠山:あはは、いえいえ、まったく。私はテーマが「お麩会」ということだったので、福島弁で「お麩かい?」と考えたんです。「これがお麩かい?」という意味の。そうしたら、一見してお麩に見えなくて、しかもうまそうなお弁当ができました。今回、けっこう自信作です。こんなにハードルを上げる必要はないけど……。
水道橋博士:(お弁当を見て)へー!
遠山:日本橋のお麩屋さんに入ったら、平らで筋の入った「すだれ麩」というのがあって、それをそのままのっけたらうな重になるかと思ったんですが、そんなにうまくはいかなくて。
水道橋博士:これ、お麩?
遠山:はい、仙台の揚げ麩と水をきった木綿豆腐とごぼうをミキサーにかけて、たれを塗りながら焼きました。裏にはうなぎの皮目のようにのりがついています。それに山椒をかけました。
水道橋博士:うまそうですね、完全に頭の中ではうなぎになってますよ。
2013.10.18(金)