頭金の準備や返済計画も含め、あせらず慎重に検討しましょう
たとえば、年収550万円のA子さんが3000万円の住宅ローンを組む場合。現行は10年間で受けることができる減税効果は最大200万円なのですが、控除枠が倍増される後に制度を適用すると減税効果は255万円程度になります。減税による効果が55万円程度増えますので、先ほどのケースのように消費税率8%で負担が45万円増えるとしても減税効果のほうが大きくなりそうです。
しかし、住宅ローン控除の拡大は、年収が低い人や借入額が少ない人にとっては恩恵が小さくなります。そこで、政府・与党は住宅を購入した一定の年収以下の人の税負担を減らすために「住宅給付金」を出すことを発表しました。8%に引き上げ後は年収510万円以下なら10~30万円の給付、10%に引き上げ後は年収775万円以下なら10~50万円を給付するという内容です。
消費増税後も消費税の負担増を軽減する制度を上手く活用できれば、必ずしも損にならないケースも出てきます。住宅購入は多くの人にとって、人生で一番大きな買い物になるため、頭金の準備や返済計画も含め、あせらず慎重に検討しましょう。
Column
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2013.09.08(日)
text:Yoko Hanawa
photographs:Fotolia