来年から始まる制度で、私が一番注目しているのが「日本版少額投資非課税制度(NISA/ニーサ)」です。剛力彩芽さんのテレビCMで言葉だけは聞いたことがあるかもしれませんね。実はこの制度、株式や投資信託などで資産運用をする際に税金がおトクになるのです。今回は、今注目のNISAについてQ&Aの形でやさしく解説していきます。

Q1:そもそも資産運用には税金がかかる?

A1:実は銀行預金にもかかっているんです。株や投資信託の売却益や配当益にもかかります。

 金融広報中央委員会の2012年度の調査によると、平均的な貯金額(貯金ゼロを含む)は30代のひとり暮らしで499万円、30代の2人以上世帯で406万円です。たとえば、500万円を利息0.02%の普通預金に1年間預けた場合の利息は1000円程度です。さらに、利息から税金として20.315%(所得税、住民税、復興特別所得税)が差し引かれると、手取り額はたったの797円程度になってしまうのです。

 上場株式や公募株式投資信託の場合、2013年12月末までは売却益や配当益に対して10.147%課税されます。しかし、2014年からは現在の証券優遇税制が終了し、20.315%の課税になります。たとえば、アベノミクス経済で100万円の利益が出ているA子さんの場合、今年中に売却をすれば手取りは90万円程度、来年以降なら80万円程度ということになり、手取りが10万円程度変わってくるのです。

Q2:NISAを使えば税金がかからなくなる?

A2:年100万円までの少額投資の売却益や配当益が非課税になります。

 NISA口座を開設して、その口座で新たに保有した上場株式や株式型投資信託などの売却益や配当益が非課税の対象になります。非課税で運用できる金額には上限があって、年間100万円まで(購入手数料は除く)、期間は5年間(繰り越せば最大5年間まで延長可能)、総額は最大500万円までと決まっています。現在すでに保有している株式の利益や配当については非課税の対象にならないのでご注意を。

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2013.09.22(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Fotolia