一般の人におすすめできる債券
企業の倒産リスクを測定するのはなかなか難しいものですが、そんななか私が一般の人におすすめできる債券もあります。それは、個人向け国債です。個人向け国債とは、国が発行する個人限定の商品で、国が元本を保証しているために一企業の債券と比べると安心感があります。
個人向け国債には変動10年、固定5年、固定3年と3種類がありますが、インフレに強いのは変動金利型の10年物の個人向け国債です。変動金利型の場合、金利は半年ごとに見直されます。金利は「基準金利×0.66」で決まりますが、最低金利保障として0.05%が設定されています。
個人向け国債が非常に有利なところは、発行から1年経過すれば国が額面金額で買い取ってくれるということです(直前2回分の利子相当額が差し引かれます)。つまり、途中で解約をしても、原則的に元本が割れないということです。これが、普通の国債(利付国債)や事業債にはない強みです。
個人向け国債はいつでも買えるわけではありません。変動10年の場合は、1月、4月、7月、10月の3カ月ごとに発行され、次回の募集期間は平成25年6月6日から28日です。1万円から購入ができます。証券会社によっては、一定の金額以上購入するとキャッシュバックがあるキャンペーンを行うこともあります。
インフレ時にも安心して持てるのは、1年など期間の短い定期預金や変動10年の個人向け国債などです。ただし、日本国の信用状況の悪化なども考えられますから、株式(日本株式、外国株式)なども混ぜながら資産を分散させることが大切です。
Column
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2013.05.12(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Fotolia