【KEY WORD:データサイエンティスト】
インターネットの発達により爆発的に増大した、莫大な量の未整理のデータ(ビッグデータ)を分析し、そこから様々な予測をするスキルを持つ人材。現在ではこの素養を持つ人はまだ少なく、米国の大手ネット系企業間では、人材の争奪戦が始まっている。
就職・転職するなら最旬の「情報科学者」
データサイエンティストという仕事がいま、注目を集めています。日本語でいえば、「情報を分析する科学者」という感じでしょうか。
アメリカで最も有名なデータサイエンティストといえば、ニューヨークタイムズ紙の政治統計学者ネイト・シルバーさん。まだ35歳の若さですが、オバマ大統領が再選した昨年の大統領選で、全米50州での勝敗をすべて的中させ、話題をさらいました。計算方法は企業秘密らしいですが、世論調査の結果などを、規模や内容、時期などによってさまざまに重み付けを変えて、過去の選挙結果と照合したようです。
データサイエンティストの仕事が注目されるようになった背景には、ビッグデータ技術があります。たとえばオンラインショッピングの「アマゾン」や「楽天」には、皆さんがどんな本やDVD、商品を買ったのかという購入履歴が、「グーグル」にはメールや検索の履歴が、「フェイスブック」には交友関係や、どんな日記が書かれてどんな写真が撮られたのかという趣味嗜好が、大量にため込まれています。これら大量の情報(ビッグデータ)を分析し、有効活用するのがビッグデータ技術。データサイエンティストはこの技術をつかさどる人たちです。たとえばアマゾンで買い物をしたら、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と表示されます。購入履歴というビッグデータを分析してオススメ商品を表示しているのですが、こういう設計を行うのもデータサイエンティストです。
ジャーナリズムの世界でも、政治家や警察に取材して裏情報を聞き出すような従来のあり方だけでなく、公開されている政府や自治体、企業の情報を分析し、それまで人々が気づかなかった事実を分析して見せる「データジャーナリズム」という手法が生まれてきています。
インターネットの普及でいっそう情報量が増える21世紀において、最も将来の可能性がある職業のひとつと言っていいでしょう。
2013.03.16(土)