【KEY WORD:アベノミクス】
安倍晋三首相が掲げる経済政策を指す、「安倍」と「エコノミクス」を合わせた造語。日本銀行法改正も視野にいれた大胆な金融政策や、公共事業投資などの財政政策、民間投資の促進の3つを基本方針にして、2%のインフレ目標を掲げ、デフレ経済の克服を目指す。
漸新な経済政策のデメリットと防衛策とは?
「アベノミクス」と呼ばれる安倍政権の新しい経済政策。学者からジャーナリスト、政治家まで、「必ずうまく行く」「いや、失敗する」と激しい議論を繰り広げています。
アベノミクスで特に注目されているのは、大がかりな金融緩和でお金を日本国内にあふれさせ、人工的なインフレを引き起こそうという「インフレターゲット」という政策です。
アベノミクスはこのインフレターゲットだけでなく、実に様々な政策から成り立っています。たとえば、1500兆円と言われている日本の家庭の貯蓄の大半は高齢者が持っているため、これを若者世代に移動させて消費を増やそうとする贈与税減税案。従業員の給料をアップしたら、法人税を減らしてあげますよという減税案。このような税金による金融政策に加えて、新しい高速道路やトンネル、橋の補修などの公共事業増も計画しています。ありとあらゆる方法で「お金をたくさん流れさせるぞ!」という方針なのです。
実際、新しい政策への期待もあって株価が上がり、為替レートは円安に動いています。インフレターゲット政策の旗を実際に振る新しい日銀総裁は4月就任ですから、うまくいけば夏以降には物価が徐々に上がってくるでしょう。これに加えて円安がさらに進行するので、おそらく輸入品の値段はかなり上がるでしょう。
どこまで円安が進行するかは予測不可能ですが、甘利経済再生担当大臣は「1ドル百円までいかないのが望ましい」とコメント。しかし海外アナリストには「春には1ドル百円を突破してさらに円は下がる」と予測している人もいます。
5年ほど前には円安が進行して1ドル120円まで下がったこともありましたが、そこまで進む可能性もゼロではありません。当時はユーロ高もあり、ヨーロッパに出かけると、カフェでお茶しただけで1000円以上もかかって大変でした。今はユーロ安のため同じようなことにはならないでしょうが、春以降の海外旅行は注意した方がいいでしょう。
2013.02.17(日)