●カットされても演じることに意味のある役者に

――将来の展望を教えてください。

 河瀨組で学んだ「役者として、自分が主張するのではなく、作品をより良くするために演じる」ということを大切にしながら、そのシーンに映っていなくても、カットされても、演じることに意味のある役者になりたいです。そして、「田中はしっかりやってくれるから安心」「田中がいればみんながひとつになれる」と言われるような存在になりたいです。

――ちなみに、憧れの先輩などがいれば教えてください。

 男が惚れる男として尊敬しているのは、『孤狼の血』で共演させていただいた役所広司さん。あとは柴田恭兵さんや菅原文太さん。それから、独特な世界観を持たれている仲野太賀さんにも憧れています。

田中偉登(たなか・たけと)

2000年1月24日生まれ。大阪府出身。12年、ドラマ「13歳のハローワーク」で俳優デビュー。以降、『るろうに剣心』(12)、『アイスと雨音』(18)、『孤狼の血』(18)、『のぼる小寺さん』(20)などに出演。NHK朝ドラ「エール」では及川志津雄役で出演。映画『朝が来る』が現在公開中。

『十二単衣を着た悪魔』

優秀な弟に対し、劣等感を抱くフリーターの雷(伊藤健太郎)、は、激しい雷雨に襲われて意識を失ってしまう。目を覚ますと、そこは「源氏物語」の世界で、バイト先でもらった歴史本のおかげで、陰陽師として弘徽殿女御(三吉彩花)に見いだされた雷は、彼女に振り回されながらも触発されていく。
https://www.juni-hitoe.jp/
2020年11月6日(金)より全国ロードショー
©2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2020.10.23(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=前田勇弥
ヘアメイク=井坂まあさ