元プロ野球選手を演じた、映画『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』が公開中の俳優・水野 勝。

 リアリティーにこだわった撮影エピソードのほか、自身がリーダーを務め、2019年にナゴヤドーム公演を成功させた「BOYS AND MEN」の“これから”についても語ります。

●元プロ野球選手のリアリティーにこだわった『癒しのこころみ』

――デビューから10年を迎えた水野さん自身のなかで、転機となった出来事について教えてください。

 僕個人としては、去年ぐらいから、役の大きさや小ささにかかわらず、とにかくいろんなドラマや映画の現場に立つことに喜びを感じているんです。

 役者を始めてから、ひとつひとつオーディションで勝ち取ってきたんですが、たとえ1シーンだけの出演でも、勉強や刺激になるんです。

 たとえば、印象的だったのが、木村文乃さんの元カレ役をやらせてもらった「SICK'S ~内閣情報調査室特務事項専従係事件簿~」の現場では、木村さん、松田翔太さん、竜 雷太さんと一緒に、お芝居をしたり、待ち時間にお話ししたりしている空間がとても不思議に感じられました。

――最新出演作『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』では、八木将康さん(劇団EXILE)演じる戦力外通告を受けたプロ野球選手・碓氷を支える、元野球選手・上坂役を演じられています。

 それまで野球をやったことがなかったのですが、キャッチャーとしてのリアリティーを出すため、「20日間で時速130キロの硬式ボールを受けられるようになってください」と言われました(笑)。

 そのため、一人でバッティングセンターに行って、球を打つんじゃなくて“受ける”練習をしました。その場にいたカップルに「あの人、ヤバい!」と怪しまれながら(笑)。

 また、あくまでも、碓氷に寄り添って、悩みなどを共有していく役なので、登場シーンの意味合いも考えながら、出過ぎず、引き立たせることを意識しました。

2020.07.17(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘