実話をベースにした衝撃作の映画『MOTHER マザー』で、長澤まさみ演じる自由奔放な母を持つ息子・周平を演じる奥平大兼。
初めてのオーディション、初めての現場、初めての演技など、すべてが新鮮に見えた風景を振り返る。
●初めて出場した空手大会で全国優勝
――6歳から空手を習い始めたそうですが、そのきっかけは?
お母さんが何か習い事をやらせたいなと思っていたときに、テレビで空手の試合を観ていた6歳の僕が「これやってみたい!」と言ったそうなんです。
でも、実際に道場に行ったら、先生が怖すぎて、全然楽しくなかったんです(笑)。
それでも無理に通っていくうちに、だんだんできるようになって、初めて出た大会(2012年全国武道空手道交流大会「形」)では、優勝するまでになれました。
――同じ大会で翌年は3位、翌々年は準優勝になるということで、当時の将来の夢は空手家だったとか?
ほかの人と戦ってみたいとか、いろんな大会に出たいと考えるようになりました。
でも、中学校に入ると、チームスポーツをやることを勧められたので、空手をやめて、バスケットボールを始めたんです。
サッカーや野球だと、小さい頃からやってきた子に追い付けないですから。やるからには、レギュラーとして、しっかり試合に出たかったんです。
――その後、現在の事務所(スターダスト・プロモーション)に所属するきっかけは?
中学1年生の頃、友だちと渋谷に行ったときに、いきなりスカウトされたんです。
その頃は事務所の名前は知らなかったし、最初は怖かったんですけど、そのことをお母さんに言ったら「やりたいんだったら、やってみれば」と言ってくれて。
でも、そのときはバスケに専念したいと思っていたので、事務所のかたには「部活を引退するまでは、レッスンやオーディションに行くことはできません」と伝えました。
2020.06.26(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘