新作映画『歩けない僕らは』が公開された板橋駿谷。「なつぞら」の“番長”役を機に、今やバラエティにも出演する個性派俳優としての顔だけでなく、ラッパーとしての顔も覗かせる、インタビュー第2回。

高校1年のとき
ラッパーとしてステージに立つ

――幼い頃から空手を習われていたそうですが、そのきっかけは?

 小学校の低学年のときに、親父からマンガ「押忍!! 空手部」を勧められて、「男はこう生きるべきだ!」と思い、中学に入ったと同時に空手を習い始めました。でも、高校に入ると、ちょっと飽きてしまい、3、4ヶ月だけ柔道部に行くんです。

 そのときに出会ったのが、寝技が巧かった2つ後輩の奥田庸介。あいつの兄貴とは、よく漫才やコントみたいなことをやっていたこともあって、すぐに意気投合しましたね。でも、そのときは、庸介が映画監督になって、俺がその主演をするなんて想像もつきませんでした(笑)。

――しかも、同時期に、今でも続けられているラップを始められますよね。

 ちょうど、そのときにDragon Ashが流行り始めて、アルバム『Buzz Songs』を聴き、かなりの衝撃を受けたんです。そこでヒップホップ・カルチャーのことを知り、いろいろ調べていたら、友達から、すでにラップをやっているやつを紹介されました。

 それで「板橋、一緒にやろうよ!」と言ってくれたのと、餓鬼レンジャーとの出会いもあって、自分でもリリックを書き始めるようになりました。それで、高校1年の5月には茨城のクラブで初舞台を踏んでいるんです。

2019.12.06(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子