映画監督になった
柔道部の後輩とのコラボ

――ラップ繋がりでいえば、映画『SR サイタマノラッパー』で知られる入江悠監督の『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』ではラッパー役で出演もされます。

 大学で東京に出てきて、結果が出なかった俺に、自主映画を撮っていた庸介が声をかけてくれて、一緒にイカツくて面白い映画を作りたいという気持ちでやっていました。庸介の世界観の中で芝居ができていることの楽しさもあったし、お互いに才能を高めていきたい気持ちでした。

 庸介が撮った『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010」に出品されたときに、お会いしたのが入江監督。それから2年後に『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』で声をかけてくださって、『日々ロック』や『ジョーカーゲーム』『ギャングース』にも出させてもらいました。

――そんな板橋さんは、今年34歳にして、連続テレビ小説「なつぞら」にて、門倉(番長)という高校生役を好演。一躍注目されたわけですが、役作りは、どのようにされたのでしょうか?

 衣装合わせのときに、マンガの「タッチ」に出てくる巨漢の原田正平だったり、「ドカベン」の岩鬼正美みたいな感じでやってほしいと言われました。寡黙だけれど、ゴリ押し感もあるような。あとは、近代的な筋トレをしないように注意されましたね(笑)。自分でどうしたいというより、台本をしっかり読み込んで、そこに書いてあることをやっただけです。

2019.12.06(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子