新作映画では
どっしり構えた病院のリーダー役

――ちなみに、今回公開される『歩けない僕らは』は、そんな番長役をオファーされる前に出演された作品ですね。リハビリ病院のリーダーである田口は、番長とは全然違ったキャラクターですね。

 この作品に入る前に、ちょっとした事故で膝を手術することになって、理学療法士の方にお世話になったんです。そのときに肌で感じられた「どうしたら患者さんが安心するか?」といった空気感を表現しようと思いました。

 また、立場的には上に課長がいて、下に新人がいるという感じも表現したかった。そういったことをベースに田口を作り上げていこうと思いました。ただ、今だから言えますけれど、この時期は、映像の仕事をあまりやっていなかったこともあって、かなりプレッシャーを感じていましたね。

――映画『歩けない僕らは』では、どんな新しい板橋さんが観られると思いますか?

 田口は常に仕事のことを真面目に考えている、とても普通の人なんです。役者をやっていると、番長のようにクセのあるキャラを演じるときもあれば、普通の人を普通に演じるときもあります。それはそれで大変ですが、とてもやりがいがありました。

 番長のあたふたしたイメージもありますが、今回はどっしりと構えた落ち着いた男を演じているので、そこを観ていただきたいですね。

2019.11.22(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子