お肉ごろごろからフレーク状まで
ルンダンの種類はさまざま
さて、マレーシアのルンダンは地域や家庭によってさまざまな味があります。一番人気はペラ州の「ビーフルンダン・トック」。水分がなくなるまで煮込み、色は全体的に黒っぽい仕上がり。
また、お肉の形状もいろいろで、角切りタイプと繊維がほどけるフレーク状のものがあります。
ルンダンがクリスピーか否か
マレーシアで議論が活発に!
さて、ルンダンの話題をもうひとつ。2018年、イギリスの料理対決番組「マスターシェフUK」に出場したマレーシア人のザレハシェフ。準々決勝でチキンルンダンを披露したところ、イギリス人の審査員が「皮がクリスピーでない」と批評。
煮込み料理のルンダンがクリスピーであるはずがないため、このコメントに対してマレーシア国民が反発。「ケンタッキーフライドチキン(KFC)と間違っていないか?」「クリスピーなルンダンを食べたことがある人はいるのか?」と国のVIPまでSNSで発信。
マレーシアKFCは、騒動のたった2日後に「NOT RENDANG」(RENDANG=ルンダン)という英文とともにフライドチキンの写真をSNSにアップする騒ぎになりました。
そしてこのたび、話題のザレハシェフがレシピ本を発表。その名も『My Rendang Isn’t Crispy』。
ここまでくると騒ぎなのか、盛り上がっているのかわかりませんが、それぐらいルンダンがマレーシア人にとって大事な味だということ。日本のマレーシア料理店やインドネシア料理店でもルンダンはいただけるので、ぜひ味わってみてください。
Column
マレーシアごはん偏愛主義!
現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。
2019.07.26(金)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)