芝居のブレを考慮した
セリフの覚え方

――角田光代の原作を映画化した最新出演作『愛がなんだ』では、ヒロインの友人である葉子に一途な想いを寄せ続けるカメラマン志望・ナカハラを演じています。

 主要キャラ4人の中では、観客がいちばん共感しやすいキャラなので、いちばん生々しくないといけないと思いました。この映画に限らず、僕は台本をもらって、2日ほどかけてセリフを全部頭に入れます。その後はクランクイン前日ぐらいまでは台本は開きません。相手役のセリフを聞くことで、自分のセリフが出てくる程度がいいと思っているんですよ。

――ナカハラに関しては、そこから+αの作業をされたんですか?

 今回のナカハラはキャラ的に、その作業をもっとやらないといけないと思ったので、撮影の直前まで、台本を開きませんでした。一歩間違えれば、手を抜いているように見えてしまうんですが、決してそのようなことはなく、今回もしっかりナカハラの言葉として出せたと思います。今泉(力哉)監督も、それを理解して撮ってくださったと思っています。

2019.05.03(金)
文=くれい響
写真=白澤 正
ヘアメイク=FUJIU JIMI
スタイリスト=Toshio Takeda(MILD)