18歳にして、父や祖父と同じ、役者の道を歩み出した寛一郎が、『君がまた走り出すとき』で映画初主演。映画を愛し、映画俳優を目指している彼が主演作で背負ったもの、将来の展望について語る。
新人賞を受賞するということ
――初演技をされた『菊とギロチン』で「キネマ旬報ベスト・テン」新人男優賞を受賞されましたが、自身の芝居が高く評価されたことをどのように捉えていますか?
もちろん、カタチになったことはとても嬉しいのですが、生意気なことを言ってしまうと、僕自身、賞を獲るために役者をやっているわけではないんです。ただ、親しい友人や家族がとても喜んでくれて。そのように、どこかで僕を支えてくれた人たちへの恩返しと思っています。それに新人賞というのは、「この演技が素晴らしかったから」というよりも、「これからの期待値を込めてのもの」だと思うんです。すでに覚悟はできていますが、これからもっともっと頑張っていかなきゃいけないですね。
――ちなみに、自身の転機といえる作品を挙げるとすると?
確実に、今の僕の基軸となっている『菊とギロチン』。あと、18年に放送された深夜ドラマ「青と僕」。作り方が映画のようだったこともありますし、今までやったことのない自分を消費しないといけない役だったこと。そして、最初からフルパワーで芝居してきた共演者の池田エライザにプロ意識を感じたんです。同世代の俳優として、そこが悔しかったですし、スロースターターでもある僕が翌日から気合を入れ直して、現場に行った作品なんです。
2019.03.08(金)
文=くれい響
写真=榎本麻美
ヘア&メイク=升水彩香
スタイリスト=越中春貴(Rim)