ミュージシャンとしてのみならず、幅広いジャンルで活躍してきた近田春夫さんが、半世紀を超えるそのキャリアにおいて親交を重ね、交遊してきた錚々たる女性たちとトークを繰り広げる対談シリーズ「おんな友達との会話」。
6人目のゲストは、新曲「愛は輪廻転生」と新刊『毎日少しずつ、柔らかい体になる! 健康美を叶える「ルミ子流ストレッチ」』が話題を呼んでいる小柳ルミ子さん。日本歌謡史に大きくその名を刻むミューズと近田さんとが出会ったのは、今から半世紀前にさかのぼる。エンタテイナーとしての英才教育を受けた幼少期から、トップの成績をキープした宝塚音楽学校時代、そして、国民的人気を誇る歌手デビュー後まで、波乱万丈のその半生に迫る!
満を持して宝塚音楽学校を受験
近田 宝塚音楽学校の入学試験って、どんな科目が課されるわけ?
小柳 まずは声楽。課題曲と自由曲と、それからいわゆる初見があった。
近田 初めて目にする譜面を渡されて、いきなり歌うわけね。
小柳 伏せた譜面がずらーっと並べられている中からどれかをめくって、それを歌う。楽譜の頭にフラット3個ついた曲なんかを、初見で歌わなきゃならないんです。
近田 うわあ、そりゃなかなかの難題だね。
小柳 でも、私は基礎からピアノをやってたから、パッと対応できたんですよ。
近田 もちろん、踊りの試験もあるんでしょ?
小柳 ええ。バレエに関しては、その場で振り付けが行われて、5分ぐらいでそれを覚え、踊ってみせるんです。まあ、8小節とか10小節ぐらいの短いものだったけど。
近田 面接では、何か特技をアピールしたりするの?
小柳 そう。私も、特技を聞かれたから、とっさに倒立をやったのよ。
近田 倒立って、いわゆる逆立ち?
近田 そんなことする受験生、宝塚じゃ他にいなかったでしょ?
小柳 いなかった。しばらく倒立の姿勢をキープした後は、脚を下ろしてブリッジして、そのまま起き上がる。ウケたわよ。審査員の先生、みんな笑ってた。
近田 俺が審査員なら、その時点で合格を申し渡すところだよ(笑)。周りを見ても、これは絶対受かるなって思ったんじゃない?
小柳 競争率自体はかなり高いんだけど、正直、他の子のレベルを見たら、これはどうも基礎をやってないぞというのが分かる。
近田 受験段階で、結構なレベルの差があるのね。
小柳 そして、宝塚音楽学校附属の「宝塚コドモアテネ」っていう小中学生向けの教室があって、そこの出身者もたくさん受験してるんです。
近田 ある種、予備校みたいな位置づけなのかな。
