周囲との温度差を感じた
連ドラ出演

――その後も、「野ブタ。をプロデュース」「マイ★ボス マイ★ヒーロー」といった学園が舞台の連続ドラマに出演されますが、当時の心境は?

 周りのみんなからは「カメラに映りたい」「ブレイクしたい」といった意志を強く感じるなか、僕はそういう気持ちが一切なくて、温度差を感じていました。それを露骨に態度に出さなかったにしろ、今考えると当時の僕は、スゴく生意気だったと思います。

――その後、本格的に役者をやっていくことを決心された、いわば転機となった作品は?

 21、22歳までは、正直いつ辞めてもいいと思っていました。でも、特にこの作品の現場で、ということはないんですが、ゆっくり考えていくうちに、「この職業で食っていく」という覚悟ができていったような気がします。ただ、田口トモロヲさんが監督した映画『アイデン&ティティ』を観たことが、俳優として心が動いたきっかけになっています。それで、自分から積極的にオーディションを受けるようになるんですが、これがまったく受からない。「才能ないから、役者やめた方がいいよ」とまで言われましたね。

2019.04.19(金)
文=くれい響
写真=白澤 正
ヘアメイク=FUJIU JIMI
スタイリスト=Toshio Takeda(MILD)