ムロツヨシそして
福田雄一との出会い

――そんななか、13年には舞台「muro式.7」に出演されますが、作・演出のムロツヨシさんとの出会いは?

 僕がゲスト出演したドラマ「サムライ・ハイスクール」の現場で、「何か元気なおじさんがいる」と思っていたら、それが教師役のムロさんだったんです。「若葉くんは何か、気になるよね」と話しかけてもらって、お話ししました。それをきっかけに「muro式.」に呼ばれました。ちょうど、仕事もなく、オーディションも受からない時期だったので、とても有難かったです。また、その芝居の脚本に参加されていたのが、福田雄一さんで、楽屋で褒めてもらったのを覚えています。この頃から状況が変わり始めた気がします。

――その関係性が、15年に真面目すぎるホスト役で出演された福田監督の映画『明烏 あけがらす』に繋がっていくわけですね。

 そうですね。あの作品での僕は、キャラクターとして映画の中にいることを考えていたので、店長役のムロさんがいくらアドリブでボケてきても、基本的にリアクションを取っていませんでした。コメディだからといって、コメディらしい芝居をやっていることもないです。その考えは、『葛城事件』のようなセンシティブな作品でも特に変わりません。

2019.04.19(金)
文=くれい響
写真=白澤 正
ヘアメイク=FUJIU JIMI
スタイリスト=Toshio Takeda(MILD)