ジャズバンド演奏も聴きどころの音楽劇「魔都夜曲」

――その後、07年に改名し、ミュージカル「レ・ミゼラブル」をきっかけに舞台中心に活躍されますが、自身の転機となった作品はありますか?

 やはり、マリウス役を演じさせていただいた「レ・ミゼラブル」です。稽古から本番にかけての時間も濃密でしたし、とにかくいろんなものにド肝を抜かれました。その後、出演させていただいた「THE LIGHT IN THE PIAZZA」は旋律が美しく、心地良く、より音楽の素晴らしさについて気づかせてもらった作品です。でも、実際に歌うとなると難しい。共演者の新妻聖子さんが「聴いて天国、歌って地獄」と言い得て妙なことを言っていたほど(笑)。

――最新出演舞台となる音楽劇「魔都夜曲」では1930年~40年代に生きる中国人青年・周志強(チョウ・チーチャン) を演じられます。

 藤木直人さんが演じる主人公・白河清隆のモデルになった近衞文隆さん(近衛文麿元首相の長男)を描いたノンフィクション小説を読んだら、とても興味深い内容でした。彼が主軸になる物語ですが、彼を取り巻くキャラクターもすごくエネルギッシュでなければいけないと思っています。また、あの時代の人間ドラマは現代劇よりも遥かにロマンティックで、ドラマティックなので、とても楽しみです。

――音楽劇ということで、ステージにはジャズを演奏する生バンドを配するそうですね。

 ジャズというジャンルが、この激動の時代にピッタリだと思いますね。個人的にはチャーリー・パーカーのようなスタンダード・ジャズが好きなんですが、この黎明期のジャズは「上海バンスキング」のようだったり、笠置シヅ子さんのブギのようだったり、どこか活気と色気のあるものなので、これも楽しみですね。

2017.07.07(金)
文=くれい響
撮影=松本輝一