2次元のマンガやアニメを忠実に3次元で立体的に表現する“2.5次元ミュージカル”で活躍する俳優たちによりドラマ化されて人気を博した、木内たつや原作の高校部活水泳漫画「男水!」が、さらに舞台化。ドラマに引き続いて、主人公・榊秀平を演じる松田凌が、舞台「ミュージカル『薄桜鬼』」での衝撃デビューまでの道のりを振り返る。

とにかくスゴい人になりたい!

――幼い頃に持っていた将来の夢は?

 小学校の卒業文集には、「とにかくスゴい人になりたい!」と書いていましたね(笑)。ドラマ、映画、演劇、あとマンガが好きだったこともあり、そういった物語の主人公になりたい、そして人生を謳歌したい、という思いが強かったんです。マンガはメジャーなものからコアなものまで読み漁っていたんですが、なかでも「ARMS」。あとは「ドラゴンボール」や「Z MAN」といったファンタジー系が好きですね。

――少林拳空手では、西日本で優勝されていますが、習い始めたきっかけは?

 とにかく厳格な親父より強くなりたかったんです。それで小学5年のときから習い始めましたが、中学2年のときにバスケ部と両立できなくなってしまったんです。そのタイミングで出場した大会で優勝しましたが、そのとき初めて親父が褒めてくれたんです。それを機に、格闘技をやめて、バスケ一本に絞りました。

――その後、高校2年のときに舞台「URASUJI3寵愛 -大陸編-」を観劇。その日に「自分も同じ舞台に立ってみたい」と、俳優になることを決意されたそうですね。

 舞台は演劇好きな叔母に連れられて、小学生のときから観ていたのですが、特に記憶に残っているのは、小6のときに観た劇団☆新感線の「花の紅天狗」ですね。その叔母の影響で、寺山修司の小説も読んでいましたし、大人計画も観ましたし、小劇場にもよく行っていました。そして、下北沢のザ・スズナリで、杏子さんと深沢敦さんがプロデュースされた「URASUJI3」を観たのですが、背中を押されたような気がしました。

2017.05.12(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘