東京の浅草を舞台に、義理人情に厚いヤンキーたちの日常を描いた人気コミックが「ガキ☆ロック~浅草六区人情物語~」として実写ドラマ化。劇中キーパーソンとなる龍太を演じる山田裕貴が、俳優を目指したきっかけからデビュー当時を振り返る。
プロ野球選手を諦め、俳優の道に
――お父さんが元プロ野球選手の山田和利さんということもあり、幼い頃から野球をやられていた山田さんですが、何をきっかけに、プロを目指すのを諦めてしまったのですか?
リトルリーグで全国大会に出たりしていましたが、中学でシニアリーグに行くときに、体の大きさの違いがあったり、普通にリンゴを握りつぶせるやつがいたりなど、なかなかの怪物級選手に出会ってしまったんです。そして、みんな純粋に野球が巧い。そうやって、上には上がいるということを痛感しました。そして、高校に入ったとき、人生は一度きりなのに、プロになれないかもしれないまま、野球をやっているのは時間がもったいないと思い、やめることにしました。
――そこで、俳優を目指すことになった理由は?
そこにも父の存在が大きくて、遠征などであまり家にいなかった父や家族との思い出といえば、みんなで映画やドラマを観ることだったんです。それで「踊る大捜査線」のようなTVドラマや、洋画にハマリ始めました。僕自身も、とにかく人と違ったことがしたかったので、普通に大学を出て、会社勤めすることはできないとは思っていましたし、どこか野球以外で父親の壁を超えたい、という意識もありました。それで高校卒業と同時に俳優を目指すことに決めました。
2017.04.14(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤