韓国では映画化もされた小川彌生の人気コミック『きみはペット』が、14年ぶりにドラマ化。キャリアウーマンに飼われるバレエダンサーの美少年“モモ”を演じる志尊淳が、「テニミュ」「烈車戦隊トッキュウジャー」を経た、これまでのキャリアを振り返る。

何事も中途半端が苦手な性格

――学生時代、多くの事務所から街頭スカウトされていた志尊さんですが、すぐに業界入りを決めなかった理由を教えてください。

 15歳、中3ぐらいのときから、原宿、渋谷、池袋などで声をかけられていました。スカウトしてもらった時はびっくりしたけれど、芸能界のことはよく知らなかったですし、そう簡単に芸能人になれるとも思っていなかったんです。だから、「こんな自分が足を踏み入れていいものか?」という心配が正直ありました。

――そんななか、現在の事務所であるワタナベエンターテインメントに決めた理由は?

 事務所さんからのスカウトと同時に、サロンモデルや雑誌の企画ページにも声をかけていただいていたので、とりあえず一回、サロンモデルをやってみたんです。髪を切ってもらえるうえ、雑誌に出してもらえる喜びもあったし、何回か続けるうちに、友達も増えました。それで「オーディションで、どこまで行けるかやってみよう」という話になり、ワタナベエンターテインメントと(ファッション誌)「STREET JACK」のコラボ・オーディションを受けたんです。そこでグランプリをいただき、事務所の養成所に入ることになりました。僕は小学生の頃から野球をやっていたのですが、高校ではやめていて、部活をやっていなかったことも、きっかけのひとつです。

――それまで、歌や芝居の練習をしてこなかったと思いますが、養成所でのレッスンはいかがでしたか?

 本当に右も左も分からなかったので、まずは挨拶の仕方や発声法から始めました。ただ、自分の性格的に、ひとつ何かをやると決めたら、中途半端にやるのが苦手なんです。だから、自分のものになるまで、精一杯やりたいと必死にやっていました。だから、レッスンが辛くてやめたいと思うことはなかったです。

2017.03.24(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘