ゴーカイブルーとしての1年間

――それから1年後の11年、ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイブルー/ジョー・ギブケン役で俳優デビューされますが、オーディションで選ばれたときの心境は?

 表では強がっていても、裏ではどこか自信がなかったこともあり、まさか自分が選ばれるとは! と思いました。子供の頃に観ていた戦隊ヒーローに自分がなれるなんて、それもブルーになれるなんて、本当にびっくりしましたね。

――1年間という長期の撮影期間で学んだことはありますか?

 1年間で学んだのは俳優としてのお仕事ほとんどでもありますが、それ以上に人間関係が大切なんだということを感じました。そこを巧く回さないと、自分が生きづらくなりますから(笑)。あとは、ファンの方が応援してくれるということの嬉しさですね。放送時期が3.11のあった11年だったので、被災地の子供たちから「ゴーカイジャーが助けに来ると思っています」といった手紙をもらったんです。あれは辛かったですね。僕には何もできないんですよ。でも、その反面、番組を通じて元気を与えることはできるんじゃないかって。「笑顔を分け与える」とか、そういう言葉を信じていなかったので、本当にそれができるということに気づかせていただきました。今では、この仕事がデビュー1年目でよかったと思っています。

~次回は、最新出演作「ガキ☆ロック~浅草六区人情物語~」についても語ります~

山田裕貴(やまだ・ゆうき)
1990年9月18日生まれ。愛知県出身。2011年、ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」で俳優デビュー。今後の出演作に、映画『破裏拳ポリマー』(17年5月13日公開)、「トモダチゲーム」(ドラマはtvk他にて放送中。映画版は6月3日公開)、『HiGH&LOW THE MOVIE 2 /END OF SKY』(8月19日公開)、『二度めの夏、二度と会えない君』『あゝ、荒野』(今秋公開)、『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』(11月11日公開)など。また、4月19日(水)よりTBSテッペン!水ドラ!!「3人のパパ」(毎週水曜日23:56~)が放送開始。

「ガキ☆ロック~浅草六区人情物語~」
東京の下町・浅草。誰からも愛される通称・喧嘩祭りの源(上遠野太洸)の前に、幼馴染の龍太(山田裕貴)が10年ぶりに現れる。不動産業で出世した彼は、「義理や人情じゃこの先やっていけない」と浅草の開発に乗り出そうとし、源と対立していくことになる。
(C)CLUSTAR inc.
Amazonプライム・ビデオにて、2017年4月14日(金)から毎週金曜配信(全12話)。
https://www.amazon.co.jp/primevideo

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2017.04.14(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤