2.5次元俳優のトップを走る松田凌が、自身のキャリアを振り返る第2回。注目を浴びた「仮面ライダー鎧武/ガイム」の思い出から、TVドラマに続いて舞台化される「男水!」の意気込みを語ってくれた。

ひたむきさが大切だと知らされた
ライダーとしての1年

――2013年放送の「仮面ライダー鎧武/ガイム」では、城乃内秀保/仮面ライダーグリドンを演じることになるわけですが、ライダー役に決まったことについては?

 僕にとって、そこがすべてじゃないにしろ、「夢って、叶うんだ!」と思いましたし、一緒に頑張ったマネージャーさんと喜びました。でも、自分たちが選ばれて笑う後ろには、選ばれなくて泣いている人がいるわけだから、その責任はしっかり果たしたいとも思いました。

――ちなみに、この1年という撮影期間で、いちばん学んだことを教えてください。

 どこか忘れかけていた、ひたむきさですね。自分のライダーの変身音が「Never give up」だったということもあるんですが、諦めないひたむきさを持っていないと終わっちゃうなって。それに、純粋な気持ちには何もかなわないということですかね。それはどこでもしっかり輝くので、歳を重ねても持っていたいですね。

――ただ、ライダーとしての1年のあいだに、10本近くの舞台もやられているんですよね。かなりハードな1年だったのではないでしょうか?

 身体は、かなりシンドかったです。いちばんスゴかったときは、朝の5時に「ライダー」の現場に入って、9時から昼過ぎまで撮影をし、そのまま次の舞台の稽古を4時間やって、夜の7時からそのときの舞台の本番をやってましたね(笑)。睡眠時間がないだけでなく、どの役をやっていて、どの台本をやっているのか分からなくなることもありました。でも、自分のやりたい仕事をやらせてもらっているうえ、応援してくれる子供たちの夢を背負っているかもしれないということを考えると、本当にひたむきさを忘れちゃいけないと思いましたね。

2017.05.19(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘