新たな目標が見えてくるもの

――今後の俳優活動において、将来の展望があれば教えてください。

 いちばん最初に、卒業文集に書いた「とにかくスゴい人になりたい!」という夢を、さらに叶えることです。これまで「薄桜鬼」「ライダー」、それに役者を目指すきっかけになった舞台「URASUJI」の 2015年公演にも出演することができました。誰に何と言われようが、がむしゃらに自分の夢をつかんできた僕ですが、まだ欲しいものがあるんです。演劇でも、映像でも、ひたむきにお芝居と向き合っていくなかで、賞を獲りたいんです。もし、カタチとして賞をいただくことができたら、自分がこれまで役者をやってきたことは間違いじゃなかったと思える気がしますね。

――それは、どのタイミングで思うようになったのでしょうか?

 自分が好きで始めたお芝居ですが、ふいに「何のために役者をやっているんだろう?」と思うことがありました。それで今後、自分に新しい家族ができたときに、息子や娘に何か具体的に誇れるものがほしい、と思ったのがきっかけですね。もし、賞をいただけることになれば、また新たな目標が見えてくると思うんですよ。

松田凌(まつだ・りょう)
1991年9月13日生まれ。兵庫県出身。2011年に俳優デビューし、翌12年に初出演舞台「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇」にて初主演を務める。以後、「メサイア  -銅ノ章-」「ZIPANGパイレーツ」など、多くの舞台に出演する一方、13年「仮面ライダー鎧武/ガイム」にレギュラー出演。17年夏には映画『メサイア外伝 -極夜 Polar night-』が公開される。

舞台「男水!」
水泳界の名門私立「龍峰高校」の推薦テストをきっかけに、傷つけあってしまうピュアな思いを持った秀平(松田凌)、大樹(宮崎秋人)、礼央(安西慎太郎)。1人は「龍峰高校」に、残り2人は廃部寸前の都立「東ヶ丘高校」へ進むが、そこに彼らがかつて憧れた選手・川崎亮也(廣瀬智紀)が現れることで運命が動き出す……。
(C)男水!製作委員会
東京公演:2017年5月11日(木)~21日(日) シアター1010
大阪公演:2017年5月24日(水)~28日(日) 森ノ宮ピロティホール
http://www.dansui-stage.com/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2017.05.19(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘