綾野剛と共演した映画『武曲 MUKOKU』の公開が控える村上虹郎。人気ミュージシャンのUAと俳優・村上淳の遺伝子を継ぎ、いま日本映画界を席巻し始めつつある彼の素顔に迫った第1回。

抜群の運動神経の持ち主

――自身の両親がミュージシャンと俳優であることに気付いたのは、いつ頃でしょうか?

 母親のレコーディングやライブにはよくついて行ったので、母親が音楽をやっているというのは、早い段階から分かっていました。でも、親父が役者をやっていると知ったのは、かなり遅かった。撮影現場について行った思い出もないですし、その頃出演していた作品自体も荒々しいものが多かったので、あまり観る機会もありませんでした。東京には幼稚園ぐらいまで住んでいたんですが、浅野(忠信)さんとCharaさんの家が近かったこともあり、お互い行き来していたみたいです。

――剣道初段ということですが、習い始めたきっかけは何でしょうか?

 僕は私立に通っていたんですが、小4のとき、近所の公立の小学校で剣道のスクールをやっていると聞いた母親に連れられて、何度か見学に行ったのがきっかけです。それで「やってみるか!」という気持ちになり、2~3年間やっていました。4歳からスイミングスクール、ほかにも学校でバスケとバドミントンをやって、週に6日ぐらいスポーツをしていました。もともと、母親は陸上をやっていたようですし、親父もスケーターでスポンサーがつくぐらい運動神経がよかったし、その頃の僕は将来スポーツ選手になるかも? とまで思っていました。

2017.06.02(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘