国内外で高い評価を受けた終戦ドラマで主演
――その後、俳優として心境の変化はありましたか?
そうですね。ただ、一時期、仕事をやっていない時期もあって、どこかで辞めたいと思ったこともあるんです。その一方で、自分でも分からないんですが、どこか考えが甘いというか、結局「ここに帰ってくるんだろうな」という気持ちが、自分のなかにあったんです。そんなとき、「東京が戦場になった日」(14年)という作品で主演をやらせていただいて、大きく考えが変わりました。悩みながら芝居をすることの楽しさや仕事に対する責任感に気づかせてもらい、「やっぱり、この仕事しかない!」と思ったんです。
――ということは、年少消防官を演じられ、ニューヨークフェスティバル(スペシャルドラマ部門)の金賞受賞など、海外でも高く評価されたドラマ「東京が戦場になった日」が大きな転機になったということですね。
先輩俳優さんたちの主演としての重圧というかプレッシャー、スゴさみたいなものが初めて分かりました。そして、そこを乗り越えて芝居をすることで、見てくださった方に「良かったね」と言われたり、海外で評価されたりしたことも嬉しかったですし、頑張ってよかったと思いました。
――その後も、さまざまな作品に出演されていますが、近年では15年のドラマ「表参道高校合唱部!」(オモコー)での合唱部部長役が印象的でした。
学園モノがほぼ初めてだったこともありますし、同世代の人がいっぱいいる現場で芝居をさせてもらったので、刺激があって楽しかったですね。現場でまったく予想もしてなかったものを、相手の役者さんから受け取ることも多かったですし。ただ、まったくやってなかったこともあって、歌の練習はスゴく大変でした。
2017.02.17(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵