「3年間も続くのかあ…」と思っていた娘のお弁当作りも、卒園が近づき残り少なくなってきました。夫はとうとう会社の健康診断にひっかかってしまい、デカ弁当箱を封印して、目指せ野菜たっぷり弁当です。イラストレーター・たかぎなおこさんの新刊『お弁当デイズ フダン弁当、ハレの日弁当』では、普通の日も特別な日もおいしくてうれしいお弁当を巡る日常を描いています。

 著者のたかぎさんに、日常のお弁当とハレの日弁当についてうかがいました。

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朝は、夫と娘のお弁当作りで大忙し!

――毎朝、ダンナさんのお弁当を作っていたたかぎさんですが、娘・むーちゃんが幼稚園に入園して、2つお弁当を作る毎日だったんですよね?

 娘が1歳になるくらいの頃に夫が転職しまして、それを機に夫にお弁当を作るようになりました。誰かにお弁当を作る経験なんてなかったので、最初の頃は「おいしい愛妻弁当を作らねば!」とけっこうはりきっていろいろ作ってました。

 でも、だんだん手抜きを覚えたり、パターンも決まってきたりして、かなり早く作れるようになってきてたのですが、娘が3歳になって幼稚園に入園してから2人分のお弁当を作る日々が始まりました。

――ダンナさんはよく食べるほうだし、娘さんは小柄で食も細くて、お弁当箱の大きさも全然違いますよね。2人においしくお弁当を食べてもらえるようにどんな工夫をされていましたか?

 夫はたいていのものは喜んで食べてくれるのですが、娘は食べられるものが限られていたので、娘弁当にかける意識の方がだいぶ大きかったです。

 娘弁当のほうは、とにかくやわらかくて小さくて食べやすいことを心掛けて、夫弁当のほうはその残ったものとなにか1品をドカッと入れて……みたいな。娘のお弁当はあまり味を濃くしたり辛くしたりもできないので、娘の分のおかずを取ったあとに、夫の分は味付けを濃くして胡椒も振って~などをやってましたね。

テレビで見た作り方に変えたら卵焼きがきれいにできた!

――卵焼きがあまり好きでないむーちゃんに、卵焼きをお弁当に入れることを禁止されていました。むーちゃんは好き嫌いがいろいろあったんですか?

 娘が幼稚園に入ってお弁当生活がスタートした頃を描いた『お弁当デイズ 夫と娘とときどき自分弁当』の中で、桜でんぶのおにぎりを入れたら娘に怒られたという話があるのですが、甘いおかずはあまり好まないようで。喜ぶかな~と思って冷凍食品のスイートポテトのおかずを入れたら、これも「もう入れないで」と言われちゃいました。

 卵焼きはしょっぱく作っても苦手のようなんですが、オムライスに薄く巻いてある卵は大好きで、卵自体が嫌いなわけではないようです。

 子どもが好きそうなコロッケやハンバーグもあまり喜ばないし、煮たこんにゃくや切り干し大根といった、やや渋いおかずを好んで食べたりします。でも、それも日によって気分が変わったりして、いまだに娘の好き嫌いはよくわからないところがあります。

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