この記事の連載

 温かな切り口で日常を描くイラストレーターのたかぎなおこさん。2023年9月には、お弁当にまつわるコミックエッセイ『お弁当デイズ 夫と娘とときどき自分弁当』を上梓しました。たかぎさんの夫のおつぐやんと、42歳で出産した幼稚園に通う娘のむーちゃんに作るお弁当について描いています。同作に込めたたかぎさんの思いを伺います。

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マンガ2「ほうれん草弁当」を読む
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今作のきっかけは、夫のお弁当作り

――『お弁当デイズ 夫と娘とときどき自分弁当』はお弁当作りにフォーカスされた作品です。なぜお弁当をテーマにしたのですか?

たかぎ 私は食べることが大好きで、食べ物にまつわるコミックエッセイ『はらぺこ万歳!』シリーズ(文藝春秋)をこれまでに2冊出してきたんです。2冊目では結婚と出産で変化した食生活を中心に描いていて、最後には夫のお弁当作りを始めていました。それで、次はお弁当についてもっと詳しく描いてみようと、今回の企画につながりました。

 お弁当って、「今日はどんなお弁当かな~」と開ける瞬間が楽しみですよね。私もたまには誰かに作ってもらいたいです(笑)。

――漫画では、たかぎさんが作ったお弁当に、夫のおつぐやんが毎回コメントをくれるシーンがあって、すごく素敵だなと思いました。

たかぎ 私も、まめだな~と思います。「おいしかったよ」とか「作ってくれてありがとう」とか、割といつも同じような感想なんですけど、やっぱりもらえるとうれしいんですよね。ものすごく時間がない朝に10分くらいでお弁当を作る時があって、「あんな短い時間でよくこれだけ作れたね」と言われると、「えへん!」という気持ちになります。

 夫は中学まで給食、高校から大学は学食、社会人になってからは外食と、お弁当を持っていく習慣があまりなかった人だから、「誰かにお弁当を作ってもらえるのがうれしいのかな」と私も楽しみながら作っています。

2023.11.03(金)
文=ゆきどっぐ