「ハレの日弁当」が作れなかった幼稚園時代…
――ところで、たかぎさんが子供の頃の「ハレの日弁当」ってどんなお弁当でした?
とにかくおにぎりが好きだったので、「ハレの日弁当」におにぎりは絶対入れてほしかったです。おにぎりってシンプルな料理ですが、母が普段の日に作ってくれることはほぼなかったので、「おにぎり=特別な日」というイメージでした。梅干しやシャケなどの具の白いごはんに海苔が巻いてある普通のおにぎりが好きです。あとは骨つき肉(手羽元)の唐揚げがあれば最高でしたね。
――むーちゃんが幼稚園の時はコロナ禍だったから、行事はのきなみ中止だったんですよね。
そうなんです、3年間コロナ禍で(涙)。遠足は一度もなく、運動会はあるにはあったんですが時間短縮のミニ運動会でした。お遊戯会もネット配信で生では観覧できず、参観日も中止……。ハレの日弁当は作る機会もなければ、他の子のお弁当を見る機会もなかったです。ずっと他の子はどんなお弁当を持ってきてるのか見てみたいな~と思ってました。
――その後、小学生になって初めての「ハレの日弁当」は運動会の時。どんなお弁当にしたんですか?
運動会は青空の下でお弁当を広げて親子一緒に食べるのかなと思ってたんですが、子どもたちだけ教室に戻って食べると聞いてびっくり! 親子で一緒に食べるなら、いろんなおかずをいっぱい持っていって、子どもが食べきれなかったものは親が食べたり持ち帰ればいっか~と思っていたのに思惑が外れまして……。それで、子どもだけで食べるのなら、量が多すぎたり、苦手なものがあったら困るから、幼稚園時代に喜んでよく食べてくれたおかずを入れて、間違いのないお弁当を適切な量持たせる、という方向になりました。
大イベント・遠足の前日に風邪をひいてしまい…
――翌年の春の遠足はおやつもお弁当も持参で、親子で新しいお弁当箱を買いに行ったり盛り上がっていたのに、なんとたかぎさんが風邪でダウンしてしまい……!
遠足前日に風邪で寝込んでしまったんです。寝込んでいなければ、海苔巻き弁当を作ってみたいと思っていて、娘のOKがとれたら、ツナマヨの入った細めの海苔巻きを作ってお弁当に詰めてみたいな~と思ってました。
夫は普段からよく料理をしますし、スキルはあるのですが、娘のお弁当は作ったことがなくて、急に頼まれてとても不安がってましたね……。
――初めての「お父さん弁当」、できあがりはどうでした? たかぎさんのお手紙付きのお弁当にもジーンとしました。
夫は料理が得意なほうだし、手先も器用なので、かわいらしく上手に出来ていました。でも、漫画にも描きましたが、ちょっと量が少なかったみたいで(笑)。でも、すごくおいしかったと言ってました! 手紙も喜んでくれたので、その後も入れるようにしてます。
娘が初めてお弁当を作ってくれた!
――そして今回、むーちゃんは小学生ながら初めてお弁当を作ったとか!
普段もおままごとが大好きで、お料理やお弁当作りに興味はあったようです。火を使う作業やちょっと難しい作業は手伝いましたが、それ以外は「見ないで!」とひとりで作ってました。
――むーちゃんはお料理が好きなんですか?
娘お気に入りの、火を使わず作れる料理の本がありまして。電子レンジで作るトマトと卵の料理とか、塩昆布をまぜて作る無限キャベツとか、ツナ缶のユッケ風とか、お酒のつまみになりそうなけっこう渋いものをたまに作ってくれたりします。どんどん料理好きな子になっていってくれたら嬉しいです。
――最後に、新刊『お弁当デイズ』の読んでほしいポイントと、たかぎさんがこれから描いてみたい家族のシーンがあれば聞かせてください。
読んでほしいポイント……だんだん量が増えていってる娘弁当とちょっとずつボリュームダウンしていってる夫弁当の対比でしょうか。あとは、夫弁当や私の昼食に、あきらかに娘弁当の残り物がまぎれてるところとか……(笑)。
今後は、娘もようやく一人前の駅弁が食べられるようになったので、家族で駅弁を楽しみながらどこかに旅行する話を描いてみたいです。
たかぎなおこ
イラストレーター。三重県出身。2003年、『150cmライフ。』でデビュー。著書に『マラソン1年生』『おかあさんライフ。』『体力アップ1年生』(以上、KADOKAWA)、『浮き草デイズ』「万歳!」シリーズ、「お弁当デイズ」シリーズ(以上、文藝春秋)など多数。2015年に結婚、一児の母となり、子育て満喫中。 たかぎなおこHP ホクソエムhttps://hokusoem.com/

お弁当デイズ フダン弁当、ハレの日弁当
3年間も続くのかあ…と思っていた娘のお弁当作りも、残り少なくなってきました。今も朝の時間は、夫と娘のお弁当作りで大忙し。小食だった娘の食べられる量もだんだん増えてきて、お弁当とともに娘の成長を感じます。夫はというと、会社の健康診断にひっかかってしまい…。娘が作った初の「交換弁当」や、夫が作った初の「お父さん弁当」など、いろんなお弁当が詰まった、おいしく楽しく時にお役立ちなお弁当コミック!
定価 1,430円(税込)
文藝春秋
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