同じ「メンノン」モデル出身俳優、坂口健太郎の存在

――ちなみに、W主演を務めた松坂桃李さん、菅田将暉さんの演技を目の当たりにして感じたことは?

 同世代の菅田将暉は、やっぱり「作品を観たい!」と思わせる俳優だし、ずっと一緒にやってみたいと思っていたんですが、やっぱりスゴいんですよ。現場での在り方もそうですが、映画を一本通して観ていると、人間の作り方みたいなものがしっかりしていて、本当に勉強になりました。松坂さんとはあまり絡むシーンはなかったんですけれど、同じメイク部屋を使っていたときに話させてもらったりして、イメージ通りのいい人、懐の深い方でした。役的には普段の松坂さんのイメージとはちょっと違う、ヒデのお兄ちゃんのジンさん役ですが、本当に僕たちのお兄ちゃんのようで、菅田将暉が“仏”と言っているのも納得です。

――今後どのような俳優になりたいか、将来のヴィジョンや憧れの先輩などがいましたら教えてください。

 とにかく今後の目標としては、選択肢を広げていきたいですね。好きな俳優はたくさんいますが、目標とする人や憧れの人は持たないようにしています。あと、『狂い咲きサンダーロード』のような男らしい作品が好きなので、そういった作品に出てみたいですね。

――同じく「メンノン」モデルから若手俳優として活躍する坂口健太郎さんはどのような存在ですか?

 お互い“「メンノン」モデル”とカテゴライズされたところも、“若手俳優”とカテゴライズされたものも同じことって、とても特殊で珍しいことだと思うんですよね。作品を観る人にとってはどっちが先輩とか関係ないわけですし、僕自身はちょっと遅れをとっているかなとは思うんですけど、同じ役を取り合うライバルであると同時に、お兄ちゃんみたいな存在です。作品を観て、ファンとして応援しているし、あんなに人に愛される人もいないと思うんですよね。

成田凌(なりた・りょう)
1993年11月22日生まれ。埼玉県出身。「MEN'S NON-NO」専属モデルから、ドラマ「FLASHBACK」(フジテレビNEXT)で俳優デビュー。その後、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のほか、『君の名は。』に声優として参加。2017年1月8日(日)より放送の「大貧乏」(フジテレビ系)にも出演。

『キセキ ―あの日のソビト―』
厳格な父の反対を押し切り、音楽の道に進んだジン(松坂桃李)は、歯科医を目指す弟のヒデ(菅田将暉)たちに音楽の才能があることに気付き、彼らに自分の夢を託す。歯科医を目指しつつ音楽も諦めたくない兄弟は、顔を出さないCDデビューを画策する。
(C)2017「キセキ ―あの日のソビト―」製作委員会
2017年1月28日(土)より全国公開
http://kiseki-movie.com/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2017.01.06(金)
文=くれい響
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=高草木 剛(ヴァニテ)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)