セッションしているような『キセキ』の現場
――さらに、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」にも梅原役で出演されていましたが、その反響も大きかったのではないでしょうか?
たくさんの方に観てもらえる作品に出ることは、大事なことだと痛感しました。いろんな意見があると思うけれど、周りの人が言ってくれる、声をかけてくれる数は圧倒的に違いました。
――最新出演映画『キセキ ―あの日のソビト―』では、覆面ボーカルグループとして知られるGReeeeNのメンバーであるクニさんを演じましたが、役作りに関しては?
クニさんには直接お会いしていないんですが、レコーディングしているビデオを見せてもらったり、実際にお会いしていた監督に話を聞いたりして、役作りをしました。沖縄出身ということで、どこか濃い感じとか、キャッチーなところがありながら、友だち思いで、懐が深く、男らしい感じを出せたらいいなと思いながら役作りをしました。(兼重淳)監督が作り出してくれた空気感がとにかく素晴らしくて、現場に行って、“役を生きる”というような感じでしたね。
――具体的にどんな空気感だったのでしょうか?
なんとなく段取りが始まって、監督と盛り上がっていくうちに「じゃ、ここで(カメラを)回しましょう」みたいな空気になる。それはまるでミュージシャンがセッションしているように自由なんですが、それをほかのスタッフも楽しんでいて、監督への信頼や愛情が感じられたんです。そして、完成した作品を観たとき、一人一人立ててくれる人間の映し方だったり、監督からの俳優全員に対する愛情を感じたんです。そういう温かい人間が作っている温かい作品になったので、それをお客さんにも感じてもらえればいいですね。
2017.01.06(金)
文=くれい響
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=高草木 剛(ヴァニテ)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)