日中韓合作映画のほか、『君の名は。』にも参加
――そして、2013年から専属モデルとして活動を始めるわけですが、14年に放送された俳優デビュー作「FLASHBACK」ではいきなりW主演を務めることになります。
演技レッスンをちゃんと受ける前に受けたオーディションに受かり、慌ててレッスンを受ける感じでした。初めてちゃんと演技をするのに、特殊能力を持つ元・考古学者の刑事という難しい役。とにかくセリフが多く、それを覚えることに精一杯でした。そんななか、高梨臨さん、豊原功補さん、津川雅彦さんといった先輩方とお芝居させていただき、演技をすることの楽しさを覚えたのですが、主演としての責任感や有難みみたいなものは、正直まだまだ感じていなかった気がします。そういう意味では反省ばかりなので、可能であれば、もう一度やりたい気持ちはあります。
――その後、俳優として転機となった作品はありますか?
「FLASHBACK」で「この仕事で食べていくこと」を決めたんですが、去年の春に中国で、日中韓合作の『双生』という作品で主演をやらせてもらい、そこで責任感を感じられたんです。日本人スタッフが少ないなか、気持ちをどうにか伝えたいという強い想いもあって、初めてスタッフさんたちとコミュニケーションを取りながらの作品作り。主演として、座長として、今まで先輩方がやってきたことを気づいたら自分でもやっていて、クランクアップ後に、現地スタッフから「お前を撮っていて楽しかった!」と言ってもらえて嬉しかったですね。
――一方、社会現象を起こしたアニメ映画『君の名は。』では、勅使河原(テッシー)役の声優もされていますよね?
オーディションで選んでいただいたんですが、新海(誠監督)ファンとしてはその場にいられるだけで楽しかったですね! でも、せっかくだったら、受かりたいという気持ちもあったんですが、すぐに終わっちゃって……(笑)。それで受かった後、動く絵コンテに、監督と監督の奥さんが声を入れたものを見せてもらったんですが、「これはスゴい映画になる!」と思いました。
2017.01.06(金)
文=くれい響
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=高草木 剛(ヴァニテ)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)