野菜を使ったパンもバラエティ豊富
加藤さんは野菜が大好き。料理教室で教えていたのと同じく、野菜にひと手間かけておいしさを引き出し、パンに仕立てています。
「野菜を使ったパンには、クセがないフォカッチャ生地がぴったり。生地には、蒸してつぶしたジャガイモを入れているんですよ」とにっこり。
「ナスとミートのフォカッチャ」は、「家でよく作るラザニアがヒントになりました。ナスは相性が良い油で一度揚げてからトッピング。ミートソースももちろん手作り」と加藤さん。隠し味のホワイトソースももちろん自家製です。
「フレッシュトマト・モッツァレラチーズとバジルのフォカッチャ」は、イタリア料理のよう。薄く伸ばしたフォカッチャ生地に自家製トマトソースを塗って、プチトマト、フレッシュモッツァレラチーズ、シュレッドチーズをのせ、兵庫県産のバジルペーストにオリーブオイルを混ぜたものを塗って焼き上げます。フレッシュのバジルをトッピングしてできあがり。
「チヂミ風フォカッチャ」は、フォカッチャ生地に、甘辛くしたミンチ、ニンジン、ニラを混ぜて成形。スライスしたカボチャをのせて、ゴマ油、コチュジャンソースを塗って焼き上げています。ピリ辛で味わい豊か。料理を味わっているよう。
サンドイッチにも、フォカッチャ生地で作ったパンをよく使うのだそうです。サンドイッチも、加藤さんのこだわりがたっぷり。
「スモークチキンの塩レモンサンド」は、無農薬のレモンで作った塩レモンとマヨネーズを使って、さっぱりしていて、奥行きのある味わいに。サニーレタス、グリーンレタス、レッドオニオンなど、野菜をしっかり使っていて、片面にクリームチーズを塗っているのもポイントです。これは、ゴマ付きの全粒粉パンで。
他にも、クロワッサン生地を薄く伸ばし、アーモンドとカシューナッツをのせて香ばしく焼き上げた「ガレット」やメープルシロップを使った「メープルブレッド」、シナモンが香る「シナモンレーズンデニッシュ」など、手の込んだパンが色々。どれも食べてみたくなります。
「新しいパンを次々作ってみたくなるんです(笑)。料理でやってきたことが生かせるのもうれしい。日常で食べるパンを作るのが、私の使命だと思っています。パン屋をやって、人生がうんと豊かになりました。いつか自家製の天然酵母で作る、とびきりおいしいパンを出したい」。小さなパン屋さんのパン1個1個に、加藤さんの思いと夢が込められているよう。食べると元気になれるパンです。
焼き上がりの時間に合わせて、自分の好きなパンを買いに行く。そして、焼きたてのパンを買って帰って食べる。なんと幸せなことでしょう。
「Breadio(ブレッディオ)」
所在地 大阪府堺市西区浜寺公園町2-204
電話番号 072-263-2201
URL http://www.breadio.jp/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2015.11.22(日)
文・撮影=そおだよおこ