大阪府堺市には、約4キロメートルの範囲に広がる百舌鳥古墳群があります。古墳時代、この一帯には100基を超える古墳が造られました。現在残っているのは、4世紀後半から6世紀前半に造られた44基。
そのひとつである前方後円墳、反正(はんぜい)天皇陵の横を通り、並木の緑が美しいけやき通りを渡って、さらに東に。南海電鉄高野線の堺東駅東口から8分程歩いた所に、中国茶と焼き菓子の専門店「琥珀茶菓(こはくちゃか)」があります。
ガラス張りのお店には、イートインできる喫茶コーナーがあり、ゆったりとお茶とお菓子を楽しむお客様の姿も見られます。二胡などの中国音楽が静かに流れる落ち着いた雰囲気の店内。平台や棚には、お菓子や中国茶、美しい茶器などが並んでいます。
「小さい頃から、お菓子を作るのが好きだったんです」と店主の西田智子さん。「高校生の頃から、ティーサロンでお友達とおしゃべりするのも大好きでした」とにっこり。
そんな西田さんが「中国茶のカフェをしよう」と思ったのは、通訳を目指して中国・上海に留学し、お茶市場で色々なお茶を飲むようになったのがきっかけ。初めて飲んだ雲南省のお茶のおいしさに感動し、「中国茶を知ってほしい」と強く思うようになりました。もちろん、おいしいお菓子と一緒に。
西田さんは、帰国後、製菓学校でお菓子作りを学んで、大阪市内の有名店で働き、腕を磨きます。そして、2010年に念願だったお店をオープンしました。
2015.07.26(日)
文・撮影=そおだよおこ