江戸時代から菓子問屋が集まっていた大阪・松屋町。明治以降に、人形、玩具、紙類、文房具などの問屋が移転してきたのだそう。街を歩くと、駄菓子やおもちゃを売る問屋や、昭和の佇まいの町家を使ったお洒落な飲食店や雑貨屋なども目につきます。

 そんな街にある『ショコラッタ』は、大阪で唯一のガトーショコラの専門店。2013年1月にオープンしました。

(左から)「ガトーショコラ」、「アーモンド」、「きなこ」、「白いショコラッタ」、「ベルジャンミルク」、「まっ茶町」、「木苺」、「ラムレーズン」、「濃いショコラッタ」。

 店主の大橋一雅さんは、元グラフィックデザイナー。「通っていたビストロで、食後のデザートで出されるガトーショコラがおいしくて、それを売るお店があったらいいなと思って」。元々、お菓子が大好きだったので、シェフにレシピを教わり、自らお店を始めてしまったのだそう。

左:気軽に立ち寄れる雰囲気。
右:ショーケースの中、すべてがショコラスイーツ!
白を基調にしたイートインスペース。

 お店の場所は「梅田や本町で探したのですが、見つからなくて、だんだん南に移っていったんです」と苦笑い。ここなら、表に大きな木があり、客席から緑が見えて道路を行き交う車も気になりません。お店の外にもテーブルやベンチが置かれてゆったりした雰囲気。「下町情緒もあって、温かいお客様が多く、松屋町が気に入っています」と大橋さん。わざわざ遠方から、ガトーショコラを買いに来るお客も増えてきたのだとか。

 お店は、白が基調で、テイクアウトしやすいように小窓もあり、キュートでお洒落。ロゴや色づかいの美しさは、さすが元デザイナー。外からも見えるケースに並んだガトーショコラは通常8種類以上。すべて、大橋さん自らの手作りです。

2014.11.30(日)
文・撮影=そおだよおこ