刺激を受けた「花子とアン」の現場

――俳優の道を歩き出した後、左足アキレス腱断裂で舞台を降板するなど、前途多難だったと思いますが、それについてはどう捉えていますか?

 ケガをしてしまったときは、周りの人たちに対して、申し訳ないという気持ちしかなかったです。その後、自分で考えて、やはり俳優の道を進むという選択をしたわけですが、これは別の道に進むきっかけだったり、タイミングのひとつだったと捉えています。

――俳優としての自身を変えた作品があれば教えてください。

 ひとつひとつの作品に対する思い入れが強いですし、ひとつひとつのお仕事を頑張るしかないと思っているので、どの作品が大きな転機になったとは言えないんです。ただ、刺激を受けた現場は、去年出させていただいた朝ドラ「花子とアン」です。

――「花子とアン」では花子の義理の弟・村岡郁弥を演じたわけですが、周囲の反応も大きかったのではないでしょうか?

 これまでと違って、同じ年代の俳優さんが多い現場でしたし、周りの方の反応も変わったと思いました。今まで、自分のやりたい放題やってきて、両親は「好きなことをやっていい」と応援してくれたんですが、相当迷惑をかけてきたと思うんです。でも、朝ドラに出たことで、両親もスゴく喜んでくれましたし、なかなかできない、おじいちゃんおばあちゃん孝行もできて、うれしかったです。僕自身も朝ドラに出たことで、「もっと頑張らきゃいけない!」と貪欲になりましたし、もっともっと親孝行したいと思いました。

2015.11.20(金)
文=くれい響
撮影=深野未季
ヘアメイク=CHIKA KIMURA
スタイリスト=三島和也(Tatanca)