地形を最大限に生かしたアイデアが人気の秘密
タイのバンコクに本社がある「シックスセンシズ ホテル リゾート スパ」は、2015年8月現在、11のリゾートと28のスパをもつ。1995年にモルディブで産声をあげた「シックスセンシズ」ブランドは、当時は珍しかった自然環境と地域社会との共生という確固たる理念のもと、多くのファンを獲得してきた。「シックスセンシズジギーベイ」は、アジアから中東に進出した最初のリゾートだ。
オープン時には、オマーンの伝統的な建築スタイル(前ページ参照)を模した石造りのユニークな客室デザイン、道路造りから着手しなければならなかったロケーションも話題となった。
何より、1ページ目でご紹介した、ロケーションを利用してパラグライダーでチェックインするというアイデアにリゾート業界も度肝を抜かれた。崖っぷちに造られたレストラン「センスオブザエッジ」の展望台ばりの眺めも素晴らしい。話題性だけではない。今もリゾートは進化していて、常に新しい楽しみ方を提案し続け、何度も訪れるリピーターに支持され続けている。
各ゲストルームには、GEM(ゲスト・エクスペリエンス・メーカー)と呼ばれるバトラーがつく。気軽に相談できる友人がいる別荘に滞在しているかのような雰囲気で、ほどよい距離を保ちながらゲストのヴァカンスをサポートしてくれる。「アクティビティの予約をして」とか、「バスタブにお湯を張っておいて」など、電話1本ですべてを手配してくれるのだ。
82棟の客室棟は、石を積み上げた壁、小枝を組んだ柵など、オマーンの伝統的建築スタイルで造られている。全室にプライベートプール、カバナがあり、プライバシーを保つための柵は、開け放すと心地よい風が抜ける造り。枕の種類(バスタブ用枕含む)を選ぶことが出たり、夜になるとプールの縁にろうそくを灯しておいてくれたり、敷地内のハーブガーデンでカクテルパーティがあったり、細やかなサービスがちりばめられている。
右:「スパイスマーケット」のアラビアンメゼ。様々な種類のアラビア料理を少しずつ楽しめるのでお勧めだ。
レストランは、前述の「センスオブザエッジ」、料理教室も行われるアラビア料理レストラン兼メインレストランの「スパイスマーケット」のほかに、水辺のテラス席が心地よい「サマーハウス」、伝統的アラビア料理の「シュアシャック」がある。プールを見下ろす「ジギーバー」や、ワインディナーも予約できる「ワインセラー」もリゾートでのロマンティックなひとときには欠かせない。
日本からドバイ、アブダビまでは直行便があり、そこから車で約2時間。西回りの世界一周なら、ここから始めるというのもいい。ファーストクラスの旅の始まりにパラグライダーチェックインだなんて、想像しただけで楽しくなった。
Sixsenses Zighy Bay(シックスセンシズジギーベイ)
所在地 Zighy Bay Musandan Peninsula, Sultanate of Oman
電話番号 +968-2673-5555
URL http://jp.sixsenses.com/
【日本での問い合わせ先】
シックスセンシズ ホテル リゾート スパ
フリーダイヤル 0120-92-1324
Column
たかせ藍沙のファーストクラスで世界一周
ファーストクラスで世界一周だなんて手の届かぬ高嶺の花かと思いきや、実はちょっとの工夫でリーズナブルに実現することができるんです。アマゾン川、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナミブ砂漠、南アフリカ、オーストラリア、香港、インドネシア……。トラベルライターのたかせ藍沙さんが体験したとっておきの旅を、ここに公開!
2015.08.21(金)
文・撮影=たかせ藍沙