魚が整然と陳列される青空市場がすごい!
リゾートも素晴らしく居心地がいいのだけれど、オマーンの町を見に行く「ディバツアー」に参加することに。アラブ首長国連邦側も含むツアーだったが、国境を越えるためには少なくとも3日前(中2日)には書類で申請する必要がある。エクスカーションの種類と日程によってはリゾート到着前に手配しなければならない。今回は急な思いつきだったので、オマーン国内のみの観光に出かけることにした。行かれる方は、ぜひ早めのご手配を。
リゾートからは車で30分ほど。人口約5000人のこの町では、ここ数年、新しい住宅の建築ラッシュが続いているという。車の中から新しくて立派な家をいくつも見かけた。まずは、アラビア圏に欠かせないモスクへ。美しい装飾の2本のミナレット(尖塔)が印象的な「スルタン・ハブス・モスク」は、一度に800人が入ることができるという規模。小さな村に見えるが、やはりモスクは村を象徴する大きな建造物だ。
そして、アル・ミーナ・ポート(通称マリーナ)という名の漁港へ。ちょうど船が漁を終えて港に戻り、競りが始まるところだった。次々と陸揚げされた漁獲物が運ばれて……。あれ? 漁師たちはそれらを整然と並べ始めた。猛暑となる夏ではないけれど、午後の気温は半袖でちょうどいいくらい温かい。氷も敷かずにビニールシートの上、コンクリートの上に直接、どんどん並べられていく。
ガイドのシラッドさんに理由を聞くと「こうしないと、どんな魚があるのかわからないでしょ?」と。生で魚を食べる習慣がないとはいえ、日本人の私には驚きの光景だった。
すると、船の上で競りが始まった。もちろん、魚たちは美しいほど整然と並べられていた。船をとりまとめる漁労長のような男性が、陸側の仲買人との間であれこれとやりとり。「新鮮だよ、大きな魚だよ、安いよ!」などと言っているのだという。買い手が決まると魚はカゴに入れられ、次の魚が並べられる。最初に並べられていたコンクリートの上の魚たちの競りは始まらない。気になって仕方がなかったが(笑)、次の目的地へと移動した。
最後に見せてもらったのは「クサル・ディバ」。約180年前に造られた城で、今は博物館になっている。この日は中に入れなかったので外観だけ。かつて4つ造られたもののうち、現在も残されているのはこのひとつなのだとか。
リゾートに戻る途中、コンクリートの上の魚たちのことを思い出した。それを食べる皆さんが、お腹を壊しませんように、と祈りつつ(火を通すので多分大丈夫、笑)。
2015.08.21(金)
文・撮影=たかせ藍沙