白トリュフを買うときには「ジャッジ」に見てもらうべし!
この日も午後は特設会場へ。朝の衝撃が忘れられず、並んでいる白トリュフを不審な顔つきで眺める私たち……。で、売り手のひとりに聞いてみた。「昨日買った白トリュフの中に生き物がいたのだけど、アナタの白トリュフにいないってどう証明するの?」と。すると「ウチのは絶対大丈夫だよ! 心配なら、ひとつ持って、あそこのジャッジに見てもらって」と、小さなトリュフをひとつ貸してくれた。
イタリア語で「i giudici」(裁判官)と書かれたカウンターに行くと強面のオジサマがいた。「この白トリュフ、どう? 昨日買ったのには虫がいたの」と手渡すと、「これは大丈夫!」と即答。「虫がいるものは押すとやわらかいんだよ。中に穴があいているから。これは堅いから大丈夫」と。「えー、そんな簡単なことだったの!?」と驚く私たちに、「日本にはいつ帰るの?」と聞くオジサマ。白トリュフは新鮮さが命。賞味期限は1週間とのこと。冷蔵庫にいれて保管しても10日間程度で、その先10日以上日本に帰らない私は、購入を諦めたのだった(涙)。
右:ポルチーニ茸などのキノコを積み上げて売っているのは、キノコ専門店。
「白トリュフマーケット」にあるのは白トリュフだけではない。この地方の様々な食材、ワインを販売する店舗が所狭しと並んでいる。そのほとんどがテイスティングできるので、1周するとワインとおつまみでけっこう満足できてしまう。奥にはイートインスペースもあるので、ワインと食べ物を買って、その場で楽しむこともできる。
右:大きな生ハムが売られている後ろにワインコーナーも。
会場の入り口では、ワインホルダー付きのワイングラスが売られている。こちらは8ユーロで、奥のワインコーナーでのワインが2杯含まれている。その他に、会場内のワイン販売ブースでのテイスティングも自由にできるのでかなりお得。ホルダーにワイングラスを入れれば両手が空くので買い物にも便利だ。
右:ワインホルダーはこのようにして使用する。これを首から下げると、不思議と皆さん笑顔になる。
白トリュフを買うことに関しては無知だった私たちは、奇しくも現場で様々な知識を得ることになって楽しい旅となった。白トリュフを買うときは、穴が空いていないか見て、次に押してみて、堅いものを選ぶべし!
第84回 アルバ白トリュフ国際見本市
(Fiera Internazionale Tartufo Bianco d'Alba)
開催期間 2014年10月11日(土)~11月16日(日)
URL http://www.fieradeltartufo.org/2014/en
Column
トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート
大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!
2014.10.21(火)
文・撮影=たかせ藍沙