白トリュフをめぐる天国と地獄
左:目玉焼きというイタリア語が分からず、ボールペンでこんな絵を描いたら分かってくれた!右:目玉焼きに白トリュフをすり下ろす。この時点では天国のような気持ちだった。
翌朝、楽しみにしていたのは、もちろん前日に買った白&黒のトリュフ。目玉焼きに載せると合うというのだけれど、ホテルではイタリア語しか通じない。身振り手振りで伝わらなかったので、思わず目玉焼きの絵を描くと、「Si, Si(はい、はい)」と言って目玉焼きを焼いてくれた。白トリュフ用のスライサーはないというので、チーズ用のすり下ろし器を借りた。
半熟の目玉焼きの上にぱらぱらと降り注ぐ白トリュフ。ここでは、量りも気にせずに、いくらでもすり下ろすことができるのだ。私たちは、顔がニヤニヤしだし、ついには声を出して笑ってしまうくらいテンションが上がってしまった。半分くらいすり下ろしたところで、断面の写真を撮ろうとしたところ、何かが動いた! 小バエがとまったのかと思ったら、中から出てきた虫だった! 「ぎゃー!!!」。満面の笑顔が一転、驚きと落胆に変わった。「すり下ろしちゃったよね……」。ホテルの方に、残ったトリュフごと差し上げることに。「あらあら、美味しいのにいらないの?」と、虫を意に介さない様子にもまたびっくり。
左:やっと見つけたお店でシャンパン&白トリュフのランチ。私たちの質問に笑顔で答えてくれたナイスガイ。手に持つ白トリュフの大きなこと!右:目玉焼きが隠れるくらいに白トリュフを載せてくれた。
気を取り直して、再びアルバの街へ。街を散策しつつランチのお店を探した。前日からいくつものレストランに電話してみたが、星付きはもちろん、名の知られたレストランはどこも満席だった。美味しいランチを求めて電話と足でリサーチしつつ決めたのは「カッフェ・ウンベルト」のテラス席。同経営の地下のレストラン「エノクラブ」は高級店だが、テラス席ならカジュアルなランチが楽しめるのだ。
左:ピエモンテの名物料理「カルネクルーダ」。ビーフのタルタルにも白トリュフ!右:ジャジャジャーン! パスタにももちろん白トリュフ! これだけ載せられるとテンションもうなぎ登り(笑)。
もちろんオーダーしたのは白トリュフのメニュー。どのレストランにもあるのは、ピエモンテ特有の細いパスタ、ビーフのタルタル「カルネクルーダ」、半熟目玉焼きの3種類。これらが白トリュフに合うテッパンらしい。迷わず3品全部オーダーした。巨大なトリュフを持って現れたウェイターに、「それ、虫いない? 大丈夫?」などと暴言を吐く私。「もちろん、大丈夫」と切り口を見せてくれた。滑らかで、穴ひとつ空いていない。ということで、ランチは白トリュフの香りを堪能しながら美味しくいただいた。朝食の地獄とランチの天国と、ジェットコースターのような半日だった。
地下のレストラン「エノクラブ」はこんなに素敵なインテリアだった。次回は予約してから来ようと決めた。
Caffè Umberto(カッフェ・ウンベルト)
Enoclub(エノクラブ)
所在地 Piazza Savona, 4 - Alba, CN
電話番号 +39-0173-33994
URL http://www.caffeumberto.it/index-eng.asp
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- 文・撮影=たかせ藍沙
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