黒トリュフと白トリュフはどう違うの?
香り高いキノコの一種であるトリュフには、黒と白がある。これらは、色だけでなく形状も味も違うまったくの別もの。黒トリュフは主にフランスで採れ、種類も様々で、野菜のように刻んで料理の上に載せたり、加熱したり、種類も使い方も様々。いっぽうの白トリュフの産地はイタリアがメイン。香りを楽しむために、専用のスライサーで薄ーくスライスするのが基本だ。年間を通して種類の違う黒トリュフが産出されるのに対し、白トリュフは秋から冬のシーズンのみ。希少ということもあり、黒トリュフに比べて10倍の価格がつくことも。アルバのトリュフは、その白トリュフだ。
右:喜び勇んで買ってしまった白&黒トリュフ。よく見ると穴が空いている……。
街に着いたとき、すっかり日が暮れていた。路地という路地は人であふれていて、まさにお祭り騒ぎだった。特設会場がある通りはとくににぎわっていて、沿道のトリュフ専門店の店先にも白トリュフと黒トリュフが並んでいた。初めて見る大量のトリュフにテンションは上がりっぱなし。思わず小さめのものを白黒買ってしまった。ホテルの朝食の時にでも食べようと。これが翌朝に怖ろしい結果を招くとは知る由もなく……。
右:中にはピンクのブタと一緒にディスプレイしている店舗も。ブタはトリュフを探し出してくれる大切なパートナーだ。
そして、トリュフ祭りの特設会場「白トリュフマーケット」へ。入場料は2.50ユーロ。レストラン関係者らしい日本人も数人見かけた。中は白トリュフの香りが漂っている。たくさんの業者が自慢の白トリュフを並べていて、少しでも安く上質の白トリュフを求める客との駆け引きが繰り広げられていた。2泊を予定していた私たちは、今日は下見。雰囲気を味わって会場を後にし、レストランに移動した。
夕食はもちろん白トリュフ! オーダーしたのはホワイトソースを使ったリゾット。白トリュフはクリーム系のパスタによく合う。白トリュフは、料理が運ばれて来た後に、目の前で、専用のスライサーで、紙のように薄くスライスしてくれる。香りを楽しむにはこの方法が一番いいのだ。スライスする前に、まずは重さを量る。スライスしてから再度量ってその差を計算してのグラム売り。
右:重さは100分の1グラムまで量って計算される。1グラムが4ユーロだ。
シュッシュッと目の前でスライスされる白トリュフに、顔はほころび、気がつくと満面の笑顔になっていた。「もっとする?」と聞かれて我に返った。いえいえ、量り売りなのだから(笑)。「ここで一度量ってくれる?」とお願いした。すると、日本円で2,000円弱。量も価格も(笑)充分だと思ったので、「これでいいわ。ありがとう」と断った。スプーンで口に運ぶたびに鼻腔を心地いい香りが通っていく。「あー、アルバに来たのね!」と、感動の連続の夕食だった。
2014.10.21(火)
文・撮影=たかせ藍沙