みんな大好きポルチーニ茸

 暑い夏も一段落、次来る季節は秋。運動の秋、芸術の秋、いろいろ言われますが、やっぱり私は食欲の秋! 

 美味しいもの王国イタリアから、これからの季節だけ味わえる生ポルチーニ茸のお話です。

秋の収穫時期だけ食べることができる生のポルチーニ茸。

 ポルチーニはイタリア語で「子豚ちゃん」という意味。丸々と太ったその形が子豚のようだから。なんだかかわいらしいネーミングですよね。

 香りが高く、肉厚で実がしまっており食感もよいことから、「きのこの王様」といわれるポルチーニ茸は、ヨーロッパで広く食されています。リゾットにパスタにフライに、とさまざまに使われる、イタリア料理にも欠かせない食材です。

 人工栽培に成功しておらず、自然のものを採集するため、生のポルチーニ茸を食べられるのは、この秋という季節だけ。イタリアの人もポルチーニ茸の旬を楽しみにしていて、生ポルチーニが店頭に並びはじめると、今年は、夏が涼しかったから小さいとか、雨が多かったから立派だとか、その収穫について話をはずませます。

その美しい姿からフィレンツェの名所となった橋、ポンテ・ベッキオ。

 そんな、みんな大好きポルチーニ茸を使った料理を取材に、ポンテ・ベッキオのたもとにある老舗レストラン「ブカ・デロラーフォ Buca dell'Orafo」へ行きました。

ポルチーニ茸のパッパルデッレ(Pappardelle ai Funghi Porcini)15ユーロ。

 まずは、生ポルチーニ茸を使ったパスタ、「ポルチーニ茸のパッパルデッレ」。一般的に、旬の季節以外は冷凍か乾燥のポルチーニが使われますが、やっぱりフレッシュのポルチーニを使ったものは、上品な香りと、肉厚でやわらかな食感、そしてきのこから出た旨味がパスタに絡んで、なんともいえぬ美味しさです。

文・撮影=藤原亮子