美しき青きリグーリア海岸

 梅雨のうっとうしい季節、そろそろ曇天にも飽いて、夏の日差しを恋しく思うころではないでしょうか? 梅雨のないイタリアから、ひと足先に美しい海辺の町の夏の景色をお届けします。

ポルトヴェーネレの港。

 今回ご紹介するポルトヴェーネレは、イタリア北西部のリグーリア海岸にある海辺の小さな町。イタリア語で「女神の港」という意味をもつこの町は、近隣の町、チンクエ・テッレや沖合の島々とともに世界遺産に登録された景勝地です。

 かの詩人バイロンも愛した町は、青く美しい海に囲まれ、岸辺に張り付くように立つ小さな町の壁は明るいパステルカラーに塗られ、とてもかわいいたたずまい。色とりどりの家々の影が、青い海に映って、その名にふさわしく、眩しいばかりに美しい景色なのです。

左:新鮮なイワシをのせたフォカッチャ。サクサクとした食感がおいしい。
右:パステルカラーの建物がかわいらしい町の中。

 降り注ぐイタリアの太陽が明るい壁に反射して、光にあふれた町は、のんびりと、どこか暖かな雰囲気に包まれています。

 海辺の町ですので、新鮮な海産物に、リグーリア地方の名物、フォカッチャやジェノベーゼ・ペーストなどおいしいものもたくさんです。

左:町の丘の上に建つドリア城。
右:港の岬に立つサン・ピエトロ教会。

 そして、この町の見所といえば、町の丘の上に立つドリア城と、港の岬に立つサン・ピエトロ教会です。

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文・撮影=藤原亮子