
佐渡の虫崎は両津港から車で30分ほどの場所にある住民26人の小さな集落。今回はここ虫崎に新潟市から移住してきた舘さんと池さんご夫婦が開店した薬膳レストラン「メレパレカイコ」にお邪魔してきました。
生活の豊かさを思い出す、やさしい佇まい

メレパレカイコという聞き馴染みのない店名はハワイ語で音楽を意味するメレと、楽園を意味するパレカイコから由来し、「人生を豊かに楽しみたい」という想いから名付けられています。仕事中心の目まぐるしい日々のなかで、生活の豊かさを追い求めるようになったと語るお二人らしいネーミングです。

薬膳レストランを運営しながら、ブライダル事業やイベント企画など幅広い事業をプロデュースしている奥様の倫子さん。店内には島外から買い付けたアイテムや、メレパレカイコのオリジナル商品がセレクトショップ的に販売されています。

一番の主力商品となっているのが「うたみどり」と呼ばれる天然よもぎ。
集落収入の基盤を目指して開発された商品で、収穫、乾燥、パッケージングまで地域住民が手作業で行っています。気になる活用方法は、煮汁をお風呂に入れて入浴剤として使ったり、お湯を注いでハーブティーとして身体に取り入れたり、枕に忍ばせてリラックス効果を高めたりとさまざま。

最近では、佐渡を代表するソーセージブランド「へんじんもっこ」と一年がかりで開発に取り組んだよもぎソーセージの販売もスタート。メレパレカイコ以外にも、両津港近くの人気カフェ「マサニコーヒー」などで取り扱いが決まっているのだとか。
2025.06.29(日)
文=星子莉奈
写真=石川啓次