新潟・北西部の日本海に浮かび、特別天然記念物のトキの生息地やかつての金銀山で知られる佐渡島。一周約280kmと小さな島は、対馬海流の影響により冬の平均気温は本州より1〜2度暖かく、夏は本州より1〜2度涼しいなど、一年を通して過ごしやすい場所でもあります。
そんな佐渡に残る原風景や独自の文化に触れるべく、映画『ゴールデンカムイ』で演じた月島 基の故郷として縁のある俳優・工藤阿須加さんとともに聖地巡礼の旅に訪れました。
宿根木を巡り、はんぎりを体験した工藤さん。今度は作品とも関わりの深い、佐渡島民のソウルフードでもあるいごねりづくりを体験しました。
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「いご草ちゃん」の由来にもなったいご草を使った「いごねり」とは?
「いごねり」と聞いてピンとくる人はなかなかの佐渡島通かもしれません。それもそのはず、いごねりは日本海側でしか採れないいご草を使った佐渡の郷土料理であり、ソウルフード。冷凍も出来ず、熱もダメ。冷蔵流通がマストで、しかも紫外線に弱く、スーパーの蛍光灯でも変色して白くなってしまうというデリケートな食品がゆえ、佐渡島以外ではなかなかお目にかかれない逸品なのです。
もちろん、工藤さんも初体験。佐渡の郷土の味をいただくだけでなく、今回は特別にいごねりを専門に製造する老舗早助屋さんでいごねりづくりも体験させていただきます。
今回、いごねりづくりを指導してくれるのは四代目の山内三信さん。案内され、早助屋に足を踏み入れると早速フワッと磯の香りが漂います。
いごねりの原料はいご草という昆布やホンダワラなどの大型海藻に着生する海藻の一種。そのゴワゴワとした見た目は確かに髪の毛のよう。月島軍曹の想い人だった「いご草ちゃん」の由来になるのも頷けます。
7月中旬から8月中旬、お盆あたりまで採れる海藻で、日本海側に広く生育していますが、早助屋では佐渡島産のものだけを使用しているのだそう。元々は福岡で食べられていた「おきゅうと」が北前船の影響で佐渡に伝わったのではないかと言われています。
生息地や採れる年によって味わいや食感が異なるので、5~6地域のいご草を配合して早助屋らしい味わいを保っているのだといいます。この配合がいごねりの出来の決め手。シーズンの初めには何度も何度も出来を確認し、割合を決めるのだそう。
「そんなにデリケートなんですね。でもよく考えてみれば海藻だって生物、僕も普段農業をしていますが、野菜も土地や時期によって味わいが変わる。それと同じことなんでしょうね」(工藤さん)
